「学校行きたくない」と言われたら——最初の24時間に親ができること

「明日、学校行きたくない」——そんな一言が夜に突然出てきたとき、どう答えればいいか咄嗟に分からなかった、という保護者の方は多いと思います。「え?どうして?」「明日テストがあるから?」「気のせいじゃない?」——反射的に出てくる言葉が、子どもを黙らせてしまうこともあります。

でも、その一言を「言えた」こと自体、子どもにとって小さな勇気の結果かもしれません。最初の反応が、その後の関わりのトーンを決めることもあります。このコラムでは、「最初の24時間」に何をするか・何をしないかを一緒に考えてみたいと思います。

「行きたくない」という言葉の裏にあるもの

「学校行きたくない」という言葉ひとつでも、その背景はさまざまです。すぐに原因を特定しようとするより、まずどんな状態にあるかを把握することが先決です。

  • 「今日だけ」のSOSかもしれない——友人関係のちょっとしたもつれ、疲労の蓄積、気分の波。一日休めば回復することも多いです。
  • ずっと我慢してきた限界かもしれない——毎朝お腹が痛い、教室でずっと緊張している、帰ってきてから泣いていた——そういう積み重ねがあって、ようやく口にできた可能性もあります。
  • 言語化できていない何かがある——「なんとなく嫌」「分からない」と言う子どもも少なくありません。本人自身が理由を把握できていないことも普通にあります。
  • 発達特性や身体的な理由が絡んでいる——起立性調節障害(ODとも呼ばれます)、感覚過敏、不安傾向の強さなど、子ども自身の特性が背景にあることもあります。

「なぜか」よりも先に、「今の子どもはどんな状態か」を見ることが大切です。原因が分からないうちは、解決策を急ぐより、まず子どもの様子を観察することに集中してみてください。

最初の24時間にやってみてほしいこと

「どうしよう」と焦る気持ちは当然です。でも、最初の一日でできることは実はシンプルです。

  • まず「そっか」と受け取る——原因究明や説得より先に、言ってくれたことを否定しない。「そうなんだね、話してくれてありがとう」くらいのトーンで受け取るだけでも、子どもの安心感が変わります。
  • 今日は休ませるかどうか、一緒に考える——「絶対に行け」でも「じゃあ休んでいい」でもなく、「どうしたい?」と聞いてみることができます。ただし、「どうしたい?」が重い圧に感じる子もいるので、その子のペースを見ながら。
  • 学校への連絡はシンプルに——翌朝「体調不良でお休みします」で十分です。最初から理由を詳しく説明する必要はありません。担任への詳しい相談は、状況が少し見えてきてからでも遅くない。
  • 親自身も焦りすぎない時間をつくる——「どこかに相談しなきゃ」「対策を立てなきゃ」——そのすべてが最初の一日に必要なわけではありません。まず今夜は、子どものそばで普通に過ごすことが、一番の安定になることがあります。

やってしまいがちな言葉と、その影響

親として当然の反応から出た言葉でも、子どもには違う形で届くことがあります。

  • 「なんで?理由を言いなさい」——問い詰める形になると、言葉を閉じてしまいます。本人も理由が分からないこともある、ということを念頭に置いておくと、少し楽になります。
  • 「みんな頑張ってるよ」「嫌なことから逃げてどうするの」——比較や説教は、「分かってもらえなかった」という感覚を深めます。一度そう感じると、次から話しかけてくれなくなることも。
  • 「一回行ってみたら大丈夫だよ」——軽く背中を押すつもりでも、子どもにとっては「自分の気持ちを軽く見られた」と感じることがあります。
  • すぐに解決策(転校・フリースクールなど)を出す——本人の気持ちを確認する前に選択肢を並べると、かえって混乱させることがあります。焦って解決しようとするより、まず聞く姿勢の方が信頼を保ちやすいです。

一日休んだ後——「続き」をどう見ていくか

一日休んで、翌日元気に登校できることもあります。でも、「また行きたくない」「今週ずっと休みたい」という状態が続くなら、少し腰を据えて考える段階に入っているかもしれません。

目安として、2週間以上登校できない状態が続く場合、「登校しぶり」から「不登校」に近い状態になっている可能性があります(文部科学省の定義では年間30日以上の欠席を「不登校」としていますが、連続して来られない状態にも、同様の視点でのケアが必要なことがあります)。

そのときには、家庭だけで抱え込まず、学校のスクールカウンセラーや地域の教育相談窓口に声をかけてみることが次のステップになります。埼玉県の東武東上線沿線——富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・川越市・坂戸市といった地域では、各市の教育支援センターが相談の入り口として機能しています。電話一本から始められる相談が多いので、「大げさかな」と感じても連絡してみるだけで状況が変わることがあります。

相談できる場所

「まだそこまでではないかも」という段階でも、話を聞いてもらえる場所はあります。

  • 学校のスクールカウンセラー——子どもが休んでいても、保護者だけで利用できます。担任か教頭に「カウンセラーと話したい」と伝えると予約できます。
  • 教育支援センター(適応指導教室)——富士見市・ふじみ野市・志木市・川越市など各市に設置。子どもの状態に合わせた相談や、学校以外の居場所づくりの話もできます。
  • 子ども家庭センター・保健センター——子育て全般の相談窓口として活用できます。「不登校のことで誰かに話を聞いてほしい」という入り口でも、対応してもらえることがあります。
  • 教育援護会の相談窓口——富士見市から教育相談窓口の委託を受けている当法人でも、「どこに相談すればいいか分からない」というレベルからお受けしています。

編集部からひとこと

「学校行きたくない」という言葉を、子どもが言えたということ——それ自体、少しだけ信頼してくれているサインでもあります。その言葉を拾い上げようとしている保護者自身も、十分に頑張っています。

最初の対応が完璧である必要はありません。「うまく言えなかった」「つい焦ってしまった」という後悔があったとしても、次の場面でもう一度寄り添い直すことができます。

答えを急がなくていい。まず、子どもの隣にいることが、今できる一番のことかもしれません。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

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