平日の昼間に外出して、大人に声をかけられたら?――不登校の子の外出と、仕事中の親ができる備え
「平日の昼間に、制服を着ていない子が一人で歩いていたら声をかけられた」「そんなことがあったと、帰ってから子どもが黙り込んでしまった」──仕事で家を空けている間のお子さんの外出について、こんな不安をお持ちの保護者の方は少なくありません。
この記事では、不登校のお子さんが平日の日中に外へ出たとき、大人に声をかけられる場面をどう考えておくか、仕事をしながらできる備えを一緒に整理します。「外に出られること」自体はとても大切な一歩です。その一歩を、不安だけで止めてしまわないための材料としてお読みください。
平日昼間の外出で、声をかけられることがある理由
地域では、子どもを見守る大人や、少年の健全育成に関わる方々が巡回していることがあります。平日の昼間に学校の時間帯の子どもを見かけると、体調や安全を気遣って声をかけてくれる場合があります。多くは善意からの声かけで、叱ったり責めたりするためのものではないと言われています。ただ、受け取る側のお子さんにとっては「学校に行っていないことを知られた」と感じ、強く傷つくことがあります。
声かけや補導の運用は、自治体や警察署、地域の取り組みによって異なります。お住まいの地域の最新の状況は、学校や市町の窓口でご確認ください。
出かける前に、親子で決めておきたいこと
- 声をかけられたときの返事を一緒に考える:たとえば「今日は家の人に許可をもらって出かけています」「家に連絡してもらえますか」など、短くて本当のことだけを言えるフレーズを用意しておく
- 嘘をつかなくていい形にする:「学校に行っているふり」をする必要はありません。事実を短く伝えて大丈夫、と子どもに伝えておく
- 連絡先を持たせる:保護者の携帯番号と、お子さんの名前を書いたメモやカードを、無理のない形で持たせる(持たせ方は留守番中の連絡手段の記事も参考に)
- 行き先と帰宅時刻を共有する:「どこで・何時ごろまで」をメモやメッセージで。監視ではなく、安全のための約束として話す
- 声をかけられた後の気持ちを、後で聞く時間をつくる:帰宅後に責めず、「嫌な思いをしなかった?」と一言だけ
学校に、あらかじめ伝えておくという選択肢
日中に外出することがあると、担任の先生や学校に伝えておくと、地域から問い合わせがあったときにも話が早く進むことがあります。伝えるのは電話でもメモでも、仕事の合間にできる方法で構いません。伝える内容は、「体調やペースに合わせて日中に外出することがある」「連絡先はこちら」の2点ほどで十分です。
担任の先生への伝え方に迷うときは、担任への最初の連絡の記事もご覧ください。国の教育機会確保法(2016年公布)は、学校以外の場も含めて、子どもが安心して学べる環境の確保を大切にする考え方を示しています。子どもが外に出ること自体を、後ろめたく思う必要はありません。
やってしまいがちなこと・よくある誤解
- 「声をかけられるのが怖いから、外出を禁止する」:外に出られている状態は回復の兆しのひとつでもあります(外には出られる子の記事)。禁止の前に、備えで安心を増やす方法を考えてみてください
- 「声をかけられた=悪いことをした」と受け取らせる:お子さんに非はありません。親から先に「大丈夫、悪いことじゃないよ」と伝えておくと安心しやすくなります
- 「人目を避けて遠くへ行かせる」:安全面の心配が増えます。慣れた範囲の場所、人通りのある時間帯を選ぶほうが安心です
- 「周りの目を全部気にしなきゃ」:近所の視線に疲れてしまう方は、周りの目の記事も参考になるかもしれません
一人で抱えず、頼れる窓口
- 学校(担任・養護教諭・スクールカウンセラー):外出時の対応を共有しておく
- 市町の教育相談窓口:富士見市では当NPOが教育相談窓口の委託を受けています(使い方ガイド)。ふじみ野市・志木市・川越市・新座市などお住まいの市町にも、それぞれ相談窓口があります
- 日中の居場所:教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールなど、行き先が決まっていると外出の不安も減りやすくなります
編集部からのメッセージ
平日の昼間に外へ出るのは、お子さんにとって勇気のいることです。そして仕事中に「何かあったら」と気にかけ続ける保護者の方も、毎日たくさんのエネルギーを使っています。完璧な備えは難しくても、「返事のフレーズ」と「連絡先」を決めておくだけで、気持ちが少し軽くなることがあります。できそうなところから、お子さんと一緒に選んでみてください。
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