不登校の子に「留守番用のスマホ」を持たせる?――仕事中の連絡手段として考えたいこと

「学校に行っていないから携帯なんて早い」と思う一方で、仕事に出ている間、家にいる我が子と一切連絡が取れない状態に、ふと不安がよぎることはないでしょうか。「お昼はちゃんと食べたかな」「体調は大丈夫かな」「インターホンが鳴って、変に反応していないかな」。普段は気にしないような小さなことが、留守番中の我が子のこととなると急に心配の種になります。かといって、不登校で悩んでいる子にスマホを持たせることで、逆に昼夜逆転やゲーム漬けを助長してしまうのではという迷いもあり、「持たせるべきか、持たせないべきか」だけで何日も考え込んでしまう保護者は少なくありません。

なぜこの悩みが大きくなりやすいのか

学校に通っている子であれば、日中は学校という「見える場所」にいます。しかし不登校の子が留守番をしている場合、保護者は仕事中、子どもがどこで何をしているか直接確認する手段がありません。連絡手段としてのスマホは、その不安を和らげる道具になり得る一方で、「不登校+スマホ」という組み合わせに、ゲーム依存や昼夜逆転、SNSでのトラブルといった別の心配が重なって見えてしまうのも事実です。安全のための連絡手段と、生活リズムを崩す道具という、相反する二つの顔を同じ端末が持っているために、判断がより難しく感じられるのだと思います。

押さえておきたいポイント

  • 「持たせる目的」を先に決めておくと迷いが減ります。ゲームやSNSのためではなく、「昼に一度連絡を取る」「何かあったときにすぐ知らせる」という安否確認・連絡用途に限定すると、親子双方が納得しやすくなります
  • スマートフォンでなくても選択肢はあります。通話とごく簡単な機能に絞った子ども向けの端末や、位置情報の確認ができる見守り用の端末など、インターネットやアプリの利用を制限した機種を選ぶ方法もあります
  • 使う時間やルールは、購入前に親子で話し合っておくのが望ましいです。「何時に連絡を入れる」「ゲームや動画に使ってよい時間はどれくらいか」を先に決めておくと、後からのトラブルが少なくなります
  • 不登校とスマホ依存は、必ずしもセットで悪化するとは限りません。すでに気になっている場合は端末を持たせる前に生活リズムの様子を見て、必要ならカウンセラーなどに相談してから判断しても遅くはありません
  • 「連絡が取れる」こと自体が、子どもにとっての安心材料になることもあります。一人で留守番をする不安を抱えているのは、保護者だけでなく本人も同じです

今日からできる具体的なアクション

  • まずは本人に「連絡が取れる方法があると安心だと思うんだけど、どう思う?」と、決定事項ではなく相談として持ちかけてみる
  • 「お昼に一度連絡する」「何かあったらすぐ電話する」など、最低限のルールを一緒に紙に書き出してみる
  • 通話・メッセージ機能に絞った子ども向けプランや、インターネット利用を制限できる設定があるか、契約前に確認する
  • フィルタリングや利用時間の制限機能を、契約時に必ず設定しておく
  • 「連絡を入れる時間」を、仕事の休憩時間などあらかじめ決めておき、保護者側からも忘れずに連絡する習慣をつける
  • すでにスマホを持っていて依存が気になる場合は、いきなり取り上げるのではなく、まず本人と使い方について話す時間を作る

やってはいけないこと・よくある誤解

  • 本人に相談なく契約し、「もう買ったから」と一方的に使い方を押し付けてしまう
  • 連絡手段のつもりが、いつの間にか「サボっていないかの監視」になり、本人がそれを感じ取って反発してしまう
  • 「不登校なのにスマホなんて贅沢」と、周囲や親戚の目を気にして必要な安全対策を後回しにしてしまう
  • ルールを決めずに渡し、後からゲームや動画の時間について頭ごなしに叱ってしまう
  • すべてを端末任せにして、直接の会話や声かけの時間を減らしてしまう

頼れる窓口・選択肢

スマホやフィルタリングの設定に迷ったときは、契約先の窓口で子ども向けの制限プランについて相談できます。また、生活リズムやゲーム・スマホとの付き合い方全般に不安がある場合は、スクールカウンセラーや教育相談窓口に相談することもできます。富士見市・ふじみ野市・志木市・三芳町・新座市・川越市など東武東上線沿線にお住まいの方は、お住まいの自治体の教育相談窓口でも、不登校の子どもとICT機器との付き合い方について相談に乗ってもらえることがあります。一人で判断しきれないときは、専門的な視点を借りるのも一つの方法です。

編集部からのメッセージ

スマホを「持たせるか、持たせないか」の二択で悩みすぎなくても大丈夫です。目的を安否確認や連絡に絞り、ルールを親子で決めておけば、それは不安を助長する道具ではなく、離れていても子どもとつながっているという安心材料になります。迷ったときは、契約前に一度立ち止まって、本人と一緒に使い方を考える時間を作ってみてください。

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