不登校の親が「周りの目」を気にしすぎてしまうとき——近所・親戚からの言葉とのつきあい方
子どもが学校に行けなくなって、いちばんしんどいのは本人かもしれない。でも、保護者の方だって、毎日かなりのエネルギーを使って乗り越えています。
そのうえ「周りの目」というのが、静かに重くのしかかってきます。「親戚に会うのが怖い」「近所の人に顔を合わせると何か言われそう」「子どもの同級生の親と話したくない」——そんな気持ちを抱えながら、今日もこのページを開いた方がいるかもしれません。
悪気のない言葉が、思いがけず深く刺さることがあります。ここでは、その「外からの目線」との向き合い方について、できるだけ押しつけにならない形で整理してみます。
「学校は?」のひとことがしんどくなるとき
不登校の子を持つ保護者から、相談の中でよく聞かれるのがこういった話です。
「正月の親戚の集まりに行けなかった」「マンションのエレベーターで会うのが怖くて、タイミングをずらすようになった」「スーパーで子どものクラスメートのお母さんを見かけると、コースを変えてしまう」——。
たいしたことではない、と感じる方もいるかもしれません。でも、そういう場面を避けるための心理的な消耗は、積み重なるとかなり大きくなります。「どうせ何か言われる」と先回りして身構えること自体が、すでにひとつのしんどさです。富士見市・志木市・ふじみ野市など比較的コミュニティの距離が近い地域では、顔見知りに会う機会が多く、こうした場面が増えやすいという声も聞かれます。
悪意はないけど刺さる——よくある言葉のパターン
不登校の保護者がよく傷つく言葉を整理してみます。言ってくる相手に悪意があるとは限らない(むしろ多くは心配や好奇心)のですが、だからといって傷つかないわけではありません。
- 「学校は行けてる?」——何気ない挨拶のつもりでも、答えるたびに「また言わなきゃいけない」という消耗がある
- 「なんで行けないの? 理由は何?」——答えを要求されているようで、追い詰められる感覚
- 「甘やかしすぎじゃないの?」——子育てを否定されたような気持ちになる
- 「昔はそんな子いなかったけどねえ」——時代のせいにされているようで、でも反論しにくい
- 「将来はどうするの?」——親自身も悩んでいる問いを突きつけられる
これらの言葉を受け取るたびに、「うまく説明できなかった」「なんでそんなこと言うんだろう」と引きずってしまうことがあります。「もっとうまく返せればよかった」と夜中に考えてしまう、という声もよく聞きます。
「ちゃんと説明しなきゃ」という呪縛をほどく
多くの保護者が陥りやすいのが、「周囲に納得してもらえる説明をしなければならない」という感覚です。でも、実際には、不登校にいたるプロセスは複雑で、「一言でわかりやすく説明できる理由」がないことの方が多いです。
発達特性や身体的な問題(起立性調節障害など)、学校内の人間関係、本人でも言語化しきれない「しんどさ」の積み重ね——それをすべて理解してもらおうとするのは、正直なところ難しいことです。
「説明を求めてくる相手を完全に納得させる必要はない」——この考え方を、まず頭の片隅に置いてみてください。あなたの家庭のことは、あなたと子どもが一番よく知っています。全員に理解してもらわなくても、子どもの回復は進みます。
「周りの目」とうまくつきあう——今日からできる3つのこと
完全に気にしないことは難しいですし、それを目指す必要もありません。「少しだけラクになる」工夫の方が、現実的で続けやすいです。
① 「短い返し言葉」を事前に決めておく
その場で考えようとすると消耗します。「今ちょっと体調を整えている時期で」「家でゆっくり過ごしています」「学校以外のルートを探しているところです」——答えを求める相手への、短くて終わらせやすい返し言葉を、あらかじめ用意しておくだけで楽になることがあります。玄関を出る前に「今日聞かれたらこう返そう」と準備しておくだけで、心の構えが変わります。
② 「全員に説明しなくていい」と決める
本当に事情を話してよい相手と、そうでない相手を分けてみましょう。近しい人には「今こういう状況で」と話せても、あまり親しくない相手には軽く流す——それで構いません。親しくない相手への「詳しい説明義務」はありません。情報をどこまで開示するかは、あなたが決めていいことです。
③ 「その言葉はその人の不安から来ている」と受け取り直す
「甘やかしすぎ」「将来どうするの?」という言葉は、その人が不登校というものについてよく知らないからこそ出てきます。見当違いなことを言われたときは、「この人はこのことを知らないだけだ」と少し距離を置いて受け取ることで、傷つきの深さが変わることがあります。相手の言葉は相手のフィルターを通ったものであって、あなたの育て方への正確な評価ではありません。
孤立しないために——同じ悩みを持つ親とつながれる場所
「周りの目が怖い」という感覚の背景には、「自分だけが孤立しているようだ」という気持ちもあります。実際には、不登校の小中学生は全国で約29万人を超えており(文部科学省2023年度調査)、それを支える保護者も同じ数だけいます。決して特殊な状況ではないのですが、「自分の周りには誰もいない」と感じやすいのは自然なことです。
そういうときは、同じ立場の保護者と話せる場所が助けになることがあります。
- 保護者の会・親の会:不登校の子を持つ保護者が集まる自助グループ。「同じ気持ちの人がいるとわかるだけで楽になった」という声が多い。埼玉県内(川越市・朝霞市・新座市など)にも複数あります
- フリースクールの保護者向け相談:子どもが通う・通っていない関係なく話を聞いてもらえる場所も
- 教育相談窓口:富士見市・志木市・ふじみ野市など各市の教育委員会が設置。子どもを連れてこなくても、保護者だけで相談に行くことが可能
- スクールカウンセラー:学校経由で利用できる。保護者だけが相談の主体になることもできる
「相談していいのかわからない」「大した問題じゃないかも」と思っているうちに時間が経つことも多いです。迷ったときこそ早めに声に出してみることを、おすすめします。教育援護会でも、保護者の方からの相談を受け付けています。
編集部から
「周りの目が気になる」という気持ちは、弱さではありません。それだけ、子どものことを真剣に考えているからこそ生まれる感覚です。
周りを気にしながらも、毎日子どものそばに居続けようとしていること——それだけで十分すぎるほどです。「正しい親」を演じなくていいし、全員に納得してもらわなくてもいい。あなたのペースで、少しずつでいいと思います。
教育援護会について
本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。
- 🌱 不登校生サポート・保護者相談
- 📘 学び直し・高卒サポート
- 💴 独自奨学金制度・教育ローン
- 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
- 🧹 地域ボランティア活動
「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。
親が働く間も、子の在宅学習を見守る「ホームスクール見守り」
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