在宅勤務中に不登校の子どもが家にいる——「仕事も子育ても中途半端」と感じる前に知っておきたいこと
在宅勤務(テレワーク)が広まった今、「自宅で仕事をしながら、不登校の子どもも家にいる」という状況を経験している保護者の方が増えています。「家にいれば子どもの様子を見られる」と思っていたのに、いざそうなってみると——会議中に「ちょっと来て」と声がかかる、仕事が思うように進まない、子どもを放っておくのも辛い……。そんなもどかしさを感じているご家庭は、決して少なくありません。
この記事では、在宅勤務と不登校が重なったときに起きやすいすれ違いを整理し、「完璧でなくていい」関わり方のヒントを一緒に考えてみます。
「家にいる」と「向き合える」は別のこと
在宅勤務になって最初に気づくことの一つが、「家にいること」と「子どもに向き合えること」はまったく別だという現実です。
画面の前でオンライン会議に参加しながら、隣の部屋から「お母さん(お父さん)、ちょっと来て」と声が聞こえる。返事はしたいけれど、今は手が離せない。そういう場面が一日に何度も重なると、親も子どもも、じわじわと消耗していきます。
在宅勤務×不登校は、一見「一緒にいられる」メリットがあるように見えます。でも実際には、仕事への集中と子どもへの関わりが同時に求められるという、二重の負荷が生まれます。「どっちつかず」になってしまう日が続くと、親自身が深く疲れを感じやすくなります。
よくある「すれ違い」のパターン
在宅勤務しながら不登校の子どもと過ごす中で、特によく見られるすれ違いをいくつか挙げてみます。
- 子どもが仕事の邪魔をしてしまう——悪意はなく、「一緒にいたい」「少し話したい」という気持ちからくることが多い
- 我慢できずに何度も声をかけてしまう——不登校中の子どもは日中の孤独感や不安を強く感じていることがある
- 「すぐ終わる」と思って仕事を中断したら、結局締め切りに間に合わなかった——この積み重ねがストレスになる
- 子どもが「どうせ忙しいんでしょ」とシャッターを下ろしてしまう——断られることが続くと、子どもが声をかけることを諦めてしまう
- 夜になって「今日は全然話せなかったな」という罪悪感が残る——同じ家にいたはずなのに、という気持ちになる
どれも「悪い人」がいるわけではなく、難しい状況が生み出す自然な結果です。
「仕事の時間」と「関わる時間」をゆるやかに分けてみる
一つの試みとして、「仕事の時間」と「子どもと関わる時間」をゆるやかに分けることを考えてみてください。
完全に分けることは難しくても、「午前中はほぼ会議があるから声をかけにくい」「14時〜15時のあいだは比較的手が空いている」などを子どもに伝えておくだけで、子どもも少し見通しが持てるようになります。
また、1日の中で「必ず一緒に過ごす短い時間」を作ることも効果的です。たとえば昼食を一緒に食べる、午後3時にお茶を飲む——それだけでも「一人ではない」という安心感につながることがあります。
ただし、これが「正解」ではありません。子どもの状態や仕事の性質によって、何が合うかはまったく異なります。うまくいかない日があっても、「やり方が間違っていた」ではなく、「今日はそういう日だった」くらいに受け止めてもらえればと思います。
「見えているのに見られない」という罪悪感について
在宅勤務×不登校で特に苦しいのが、「同じ家にいるのに、十分に向き合えていない」という罪悪感です。
外で働いていたころは「家にいられないから仕方ない」と割り切れた部分が、在宅になると「すぐそこにいるのに」という感覚に変わります。子どもの様子が気になりながら、仕事の画面を見続ける。その感覚は、かなり消耗します。
まず伝えたいのは、「仕事中に子どものことを完全に見られない」のは当然だということです。在宅勤務は勤務であって、育児の時間ではありません。「家にいながら仕事もして子どものケアもしなければ」という二重の期待を自分にかけすぎると、どちらも中途半端になりやすく、親が燃え尽きてしまうリスクがあります。
「完全には見られない時間があること」を、まず自分自身が受け入れることが、長く続けるためには大切です。
仕事中の「見えない時間」をどう考えるか
在宅勤務中でも、子どもが一人でいる時間は必ずあります。そのすきま時間に子どもが何をしているか、気になる方も多いでしょう。
特に回復途中の子どもの場合、「ひどく落ち込んでいないか」「生活リズムが崩れていないか」というのは、切実な心配です。在宅勤務でたまたま同じ家にいる日は気づけても、出社の日は何もわからない——そのギャップがかえって不安を大きくすることもあります。
こうした「離れていても様子が知りたい」というニーズに対して、在宅学習の見守りを補助するツールも出てきています。完全な代替にはなりませんが、「仕事中にスマホで少し確認できる」「離席が長く続いたら知らせてくれる」といった仕組みがあると、「まったく何も知らない」という不安が和らぐ場合があります(後述の「ホームスクール見守り」もその一つです)。
埼玉のご家庭へ——相談先を知っておくと少しラクになる
富士見市・ふじみ野市・志木市・新座市・朝霞市など東武東上線沿線エリアでも、在宅勤務×不登校という状況に向き合う保護者の方が増えています。
「仕事はなんとか続けているが、子どもとの時間の取り方に悩んでいる」「テレワーク中に子どもが話しかけてくるのが辛くなってきた」——そういった話を、教育相談窓口に持ち込んでいただくこともできます。「育て方」の問題ではなく、「構造的に難しい状況」についての相談は、決して恥ずかしいことではありません。
川越市・坂戸市・和光市など埼玉県内の教育支援センターや相談機関でも、在宅勤務と不登校が重なるケースへの理解は少しずつ広がっています。気になる方は、まずお住まいの市の教育相談窓口や教育援護会のような団体にお声掛けください。
編集部から
「家にいるのになぜ向き合えないんだろう」「在宅なのに子どもが孤独そうに見える」——この気持ちは、決してあなたの怠慢や愛情不足のせいではありません。在宅勤務と不登校が重なるという状況は、誰にとっても正直に難しいものです。
「完璧に両立できなくていい」という前提のもとで、今日できることを少しずつ探していく——そういう視点で、私たちも一緒に考えていきたいと思っています。
教育援護会について
本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。
- 🌱 不登校生サポート・保護者相談
- 📘 学び直し・高卒サポート
- 💴 独自奨学金制度・教育ローン
- 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
- 🧹 地域ボランティア活動
「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。
親が働く間も、子の在宅学習を見守る「ホームスクール見守り」
「日中ひとりにするのが心配」「仕事を続けられるだろうか」——そんなご家庭のために、教育援護会は在宅学習を見守るアプリ「ホームスクール見守り」を運営しています。AIが学習をやさしくナビし、離席が続けば保護者にメールでお知らせ。無料で始められ、全機能でも月額1,800円です(小1〜中3対象)。▶ ホームスクール見守りの詳細を見る
