「もう疲れた」と感じたとき——不登校を支える親が自分のメンタルを守るためのヒント

不登校が続くにつれ、親のエネルギーはじわじわと削られていきます。「子どものそばにいなければ」「もっと何かしてあげなければ」——そう思い続けながら動き続けた結果、ある日ふと「もう疲れた」という言葉が口から出てきた。そういう保護者の方は、決して少なくありません。

このコラムは、そんな状態にある親御さんに向けて書いています。「親が疲れてどうする」と自分を責めないでください。子どもを支え続けるためにも、支える側の人間が倒れないことがとても大切です。

「誰にも話せない」——孤立感が、親をもっとも消耗させる

不登校になって間もない頃は、「なんとかしよう」という気力があります。学校に連絡して、カウンセラーを探して、本を読んで、できることをやってみる。でも、それが数週間・数ヶ月と続いてくると、少しずつ疲れてくる。これは当然のことです。

特につらいのは、「誰にも話せない」という状況です。

  • 職場では「子どもが不登校で」と言い出しにくい
  • 親戚や近所からは「もっとしっかり育てれば」という視線を感じる
  • 同じ状況にある保護者の知り合いがいない
  • パートナーと温度感が違って、家の中でも孤独感がある

この孤立感が、親のメンタルをもっとも消耗させます。「自分だけ取り残されている」「誰もわかってくれない」という感覚は、子どもを支えるエネルギーを静かに、しかし確実に奪っていきます。

「私のせいだ」——自責の思考パターンに気づく

不登校になった親御さんの多くが、こんな言葉を自分に向け続けています。

  • 「私の育て方が悪かったんだ」
  • 「もっと早く気づいてあげれば」
  • 「仕事を優先しすぎた」
  • 「夫婦仲が悪かったから、子どもに影響したのかも」
  • 「もっといい親だったら、こうならなかったのに」

これらはすべて、「原因は自分にある」という思考のパターンです。でも、不登校の背景はひとつではありません。学校環境・友人関係・発達特性・本人の気質・社会の変化など、家庭だけでは説明できない要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。

「私のせいだ」という思考は、気持ちを整理しているようで、実はエネルギーを消耗させるだけです。原因探しより「今、自分にできることは何か」に少しずつ意識を移していくことが、親自身の回復にもつながります。

「疲れた」は弱さじゃない——ケアする人の限界は必ず来る

介護・育児など誰かをケアし続ける立場の人が感じる消耗を、「ケアラーバーンアウト」と呼ぶことがあります。不登校の子を支える親も、日々のケアを担う「ケアラー」のひとりです。

ケアをする側の人が消耗しやすい理由のひとつは、「いつ終わるかわからない」という不確実性にあります。骨折の回復のように「○週間後には治る」という見通しがなく、毎日が手探りのまま続く。それが親のメンタルに大きな負荷をかけます。

「疲れた」と感じるのは当然のことであり、弱さではありません。むしろそれだけ真剣に向き合ってきた証拠でもあります。

今日からできる、自分のための小さなリセット

「親がしっかりしなければ」という使命感はよくわかります。でも、完全に消耗してからでは回復に時間がかかります。日常のなかに、自分のための小さなリセットタイムを意図的に作ることが大切です。

  • 「今日は子どものことを気にしない日」を週1回つくる——毎日子どもの変化を観察・記録し続けることは疲弊します。「今日は少し距離を置く日」と決めるだけで、気持ちの余裕が変わります
  • 「何もしない10分」を持つ——スマホも育児情報も見ない、ただぼーっとする時間。コーヒーを一杯飲む、散歩に出るだけで構いません
  • 愚痴を言える場所を一つ確保する——解決策を求めない「ただ話せる」場所(友人・パートナー・オンラインコミュニティ)があるだけで、精神的な重荷が軽くなります
  • 「子どものことを考えない時間」に罪悪感を持たない——映画を見る、好きな音楽を聴く、趣味に没頭する。それは怠けではなく、回復のための行動です
  • 睡眠を最優先にする——疲弊しているときほど睡眠が乱れがちです。「まず寝ること」がメンタルの土台を支えます

相談する「壁」を少しだけ下げてほしい(富士見市・東上線沿線)

「親として弱音を吐いていいのか」「相談するほどのことでもないかも」——そう思って、誰にも話せないまま限界まで抱え込んでしまう保護者の方がたくさんいます。

でも、相談の場は「もう限界」になってから使うものではありません。「ちょっと最近しんどいな」という段階で話してみることが、大きな崩れを防ぐことにつながります。

富士見市・志木市・ふじみ野市・新座市・朝霞市・川越市など東武東上線沿線の各市には、不登校に関する相談窓口があります。子どもの話だけでなく、「支えている親としてのしんどさ」も受け止めてもらえる場所がほとんどです。

  • 富士見市教育相談窓口(教育援護会が委託運営)——「子どもよりも、自分が参ってしまっている」という内容でも相談を受けています。子どもを連れてくる必要はありません
  • スクールカウンセラー——学校を通じて利用可能。保護者が単独で相談することもできます
  • 各市の子育て支援センター・保健センター——保健師や専門スタッフが相談に応じる窓口を持っている自治体が多いです
  • 不登校の保護者同士のつながり(保護者会・オンライングループ)——「同じ状況の人と話す」だけで、孤立感がかなり和らぐことがあります

電話が難しければ、メールやフォームから一行だけ投げてみることから始めてみてください。「相談していいのかわからない」という言葉も、そのまま送ってもらえれば大丈夫です。

編集部からひとこと

「子どものために頑張り続ける親」は、周りから見えにくいものです。不登校対応の本もネットの記事も、子どもへのアドバイスはあっても、「支えている親自身」へのまなざしは少ない。そのことが、親の孤立をさらに深めていることもあります。

あなたがしんどいのは、それだけ子どものことを考えてきたからです。疲れてしまったことを責めないでください。「疲れた」と気づけることは、立ち止まって自分を見直すサインでもあります。一人で抱え込まず、少しでも話せる場所を探してみてください。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

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