不登校の子が「友だちを家に呼びたい」と言ったら――留守中でも安心して受け入れるための準備

「学校には行けないのに、友だちとは遊びたいの?」──不登校のお子さんから「〇〇ちゃんを家に呼んでいい?」と言われて、戸惑った保護者の方は少なくないと思います。仕事で日中家を空けていることが多いご家庭ではなおさら、「留守中に友だちを入れて大丈夫だろうか」「何かあったらどうしよう」という不安が先に立つのではないでしょうか。

富士見市・ふじみ野市・志木市など東武東上線沿線にお住まいのご家庭からも、こうした「留守中の来客」に関するご相談を教育相談の場でお聞きすることがあります。今回は、この「友だちを呼びたい」という申し出をどう受け止め、どう準備していけばよいかを一緒に考えていきます。

「友だちを呼びたい」に戸惑う保護者へ

学校には行けないのに友だちとは会いたがる──この一見矛盾したように見える気持ちは、実はとても自然なことです。お子さんが避けているのは「学校という場」や「集団で決められた時間割・ルール」であって、友だち関係そのものを拒んでいるとは限りません。むしろ、気心の知れた相手と自分のペースで過ごせる自宅なら、安心して人と関われることも多いのです。

友だちとのつながりが保たれることは、孤立感を和らげ、後に学校や次の居場所へ気持ちが向かうきっかけになることもあります。「学校に行けていないのに遊ぶなんて」と否定せず、まずは「呼びたいと思える相手がいる」こと自体を前向きに受け止めてよいのではないでしょうか。

家に友だちを呼ぶときに、まず押さえておきたいこと

  • 誰が来るのか、事前に把握する──同じクラスの子か、以前から仲の良い子か。初めて聞く名前なら、お子さんに簡単に人となりを聞いておくと安心材料になります。
  • 時間帯を決めておく──「何時から何時まで」を親子で共有し、できれば相手のご家庭にも伝わるようにしておきます。
  • 留守中か在宅時かを分けて考える──保護者が家にいない時間帯の来客は、いる時間帯よりも一段階、慎重な準備が必要です。
  • 相手の保護者への一言連絡──「今日◯時にお子さんがうちに遊びに来ます」と一言伝えておくだけで、双方の安心感が違います。連絡先を交換しておくと、いざというとき助かります。
  • お子さん自身の希望を聞く──「呼びたい」と言い出したのがお子さんなら、どんな遊び方をしたいか、何時間くらい一緒にいたいかも聞いてみましょう。

これらは「禁止するかどうか」を判断するためではなく、「安心して受け入れるための準備」として押さえておきたいポイントです。

今日からできる、受け入れの準備

実際に「呼んでもいいよ」と伝える前後で、次のような準備をしておくと、保護者が不在でも落ち着いて送り出せます。

  • 簡単な約束事を親子で決めておく──「玄関の施錠は必ずする」「火や刃物を使う遊びはしない」「知らない相手が来ても対応しない」など、留守中に困らない範囲で決めます。
  • お子さんから連絡が取れる手段を確認──スマートフォンやキッズ携帯で、遊んでいる最中でも一度連絡が取れる状態にしておくと安心です。
  • おやつや飲み物を用意しておく──外出せずに家の中で過ごせるよう、簡単な軽食を用意しておくと、お子さんたちだけで買い物に出る心配が減ります。
  • 近所への配慮も一言──来客時間が長引きそうな日は、大きな物音などで近隣にご迷惑をかけないよう軽く声をかけておくのも一つです。
  • 帰宅後、様子を聞く──「楽しかった?」「疲れてない?」と軽く聞くだけで、お子さんは「見守られている」と感じられます。

すべてを完璧に整えようとする必要はありません。できる範囲の準備をして、あとはお子さんを信じて送り出す、というくらいの気持ちで十分です。

ここは気をつけたい、よくある誤解

  • 「遊べるなら学校にも行けるはず」という決めつけ──友だちと自宅で過ごすことと、学校という集団の場で過ごすことは、お子さんにとって負荷がまったく異なります。遊べることを理由に登校を迫るのは避けたいところです。
  • 相手の保護者に事情を詳しく説明しすぎる必要はない──「不登校だから」と細かく話す義務はありません。伝えるかどうか、どこまで伝えるかはご家庭とお子さんの判断で構いません。
  • 友だちが来ること自体を過度に警戒する──もちろん最低限の確認は必要ですが、「何かあったら」と心配しすぎて機会自体を奪ってしまうと、お子さんの数少ない社会的なつながりを狭めてしまうこともあります。
  • 毎回同じルールで縛ろうとする──相手や状況によって適した対応は変わります。最初に決めたルールに固執せず、様子を見ながら柔軟に見直していきましょう。

一人で抱えず、頼れる先も

「呼んでいいものか」「留守中に何かあったら」と迷ったときは、一人で判断を抱え込まずに相談してみるのも一つの方法です。

  • 学校のスクールカウンセラーや担任──友人関係の状況を把握している場合があり、相手のお子さんとの関係性についてヒントをもらえることがあります。
  • 教育支援センター・教育相談窓口──富士見市をはじめ、多くの自治体で不登校に関する相談窓口が設けられています。留守番や日中の過ごし方についての相談も受け付けています。
  • フリースクールなど居場所のスタッフ──通っている場合は、そこでの友人関係の様子を共有してもらえることもあります。
  • 同じ立場の保護者同士のつながり──不登校の子を持つ保護者同士の情報交換の場で、似た経験を聞けると気持ちが軽くなることもあります。

編集部より

「友だちを呼びたい」という一言は、お子さんが人とのつながりを求めているサインでもあります。不安になるお気持ちはよくわかりますが、できる範囲の準備をしたうえで、その気持ちを大切にしてあげてほしいと思います。すべてを完璧にコントロールしようとせず、「今日はこれくらいでいいか」と少しずつ進めていくことが、保護者自身の負担を減らすことにもつながります。

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