不登校の子どもが「日中、家でどう過ごすか」——在宅時間を責めずに活かすヒント

「今日も学校を休んだ。一日中ゲームをしていた。このままでいいのだろうか」——不登校になった子どもの在宅時間を前に、こういう不安を感じている保護者の方は多いと思います。

でも、少し立ち止まって考えてほしいのは、「何もしていない」ように見えるその時間が、実はそうでもないかもしれない、ということです。このコラムでは、在宅時間についての考え方と、無理なく日中を整えるためのアイデアを整理します。

「何もしていない」時間は、じつは休養中かもしれない

不登校になりたての時期は、「学校に行けない」という事実への自己嫌悪や疲弊で、心がかなり削られています。ゲームや動画視聴、ぼーっとする時間は、その子にとって「回復のための時間」である場合が少なくありません。

文部科学省の2023年度調査によると、不登校の児童生徒数は全国で約34万人(過去最多)に達しており、不登校の主たる要因として「無気力・不安」が最も多く挙げられています。この状態にある子どもに「もっと有意義に過ごしなさい」とプレッシャーをかけることは、回復を遅らせることにつながりやすいのです。

まず大切なのは、「この子は今、回復の途中にいる」という視点を持つことです。

回復のフェーズで「よい過ごし方」は変わる

不登校の回復は、おおまかに次のような段階を経ることが多いと言われています(あくまで目安で、行き来することもあります)。

  • 消耗期——学校の話題も出せない、ほとんど動けない、外にも出られない。この時期は「安全でいること」が最優先。何かをさせようとするより、ただそばにいることが助けになります
  • 安定期——気分が落ち着き、好きなことに少しエネルギーが向き始める。好きな活動を中心にした過ごし方で十分です
  • 回復期——生活リズムが整い始め、外出や学習への関心が少し出てくる。このタイミングで「日課」をそっと取り入れてみる

「何をさせればよいか」は、今子どもがどのフェーズにいるかによって大きく変わります。消耗期にある子に「毎日30分勉強しよう」は逆効果になりやすいです。

日中の時間をゆるく整える——今日からできる7つのアイデア

安定期〜回復期に入ってきたら、日中の時間をそっと「整えていく」ことが助けになります。大切なのは「毎日きちんとやること」ではなく、「できた日を積み重ねる」感覚です。

  • 朝の起き時間をゆるく決める——「何時に起きなければならない」ではなく、「この時間には起きていよう」という目安を本人と相談して設ける。強制しないことが大事
  • 昼食に「一言報告」のルールを作る——「お昼食べたらLINEで一言送ってね」だけでもOK。食事を軸にするとリズムが自然に整いやすくなります
  • 「好きなこと」に名前をつける——ゲーム・動画・絵・読書……それが「○○の時間」と呼べると、一日に意味が生まれます。ゲームでもいい、それが今の「活動」です
  • 30分だけ外の空気を吸う——コンビニ、公園、玄関先に出るだけでも変化が生まれます。外出へのハードルを低く設定しましょう
  • 就寝前に「今日よかったこと1つ」を話す——ほんの小さなことでOK。一日を「悪い日」で終わらせない習慣になります
  • 学習は「ゼロにしない」ことを小さな目標に——好きな本を読む、動画で歴史を見る、10分だけドリルをやるなど、ハードルを下げて「やった」という感覚を積み重ねる
  • 夕方に「今日の振り返り」を2〜3分だけ——できたこと・楽しかったことに目を向ける。問い詰めるのではなく、雑談の延長線で

学習の遅れが心配なとき——焦らず、でも完全に止めないために

「学習の遅れが心配」という声は、保護者の方から非常によく聞きます。学校から離れている間も、学びとの距離が広がるほど、後で本人がきつくなってしまうのではないか。その不安はとても自然なものです。

ただ、消耗期に学習を無理に進めようとすることは回復の妨げになりかねません。一方で、安定期に入ってきたら「完全にゼロにしない」を小さな目標にすることは有効です。

  • 教科書・ドリルではなく「好きな本を読む」「動画で科学や歴史を学ぶ」から始めてもよい
  • 1日10〜15分程度、気が向いたときに少しだけ、という設定で十分です
  • 「今日やった」と本人が言えることが大事——親が評価するより、本人が実感できる形にする
  • オンライン学習(YouTubeの教育チャンネル、学習アプリなど)を活用している家庭も増えています

富士見市・志木市・朝霞市・新座市など東上線沿線エリアにあるフリースクールや教育支援センターの中にも、オンライン学習を取り入れたプログラムを提供しているところがあります。地域の選択肢を知っておくことで、「家だけ」という閉塞感が少し和らぐことがあります。

親が家にいない時間——「監視」でも「放置」でもない見守り方

仕事があって日中ずっとそばにいられない、という家庭では、「子どもが何をしているか見えない」という不安が積み重なります。不安から、頻繁にLINEで確認したり、カメラで常に様子を見たりしてしまう方もいます。

気持ちはよくわかるのですが、そのことが子どもに「信頼されていない」と感じさせてしまうこともあります。

大切なのは、「何かあれば連絡できる」という安心感を共有したうえで、子どもなりのペースを尊重すること。「帰ってきたら話を聞く」という約束があるだけで、一人の時間の質は変わります。「監視」でも「放置」でもなく、離れていても気にかけている、という姿勢が、子どもの安心感と自立につながります。

頼れる場所・選択肢——富士見市・東上線沿線で

「家だけでは限界」「一人にするのが心配」と感じたら、地域の資源を活用することも選択肢のひとつです。

  • 教育支援センター(適応指導教室)——富士見市・ふじみ野市・志木市など多くの自治体に設置されており、学校に行かなくても日中通える居場所として機能しています
  • フリースクール——川越市・新座市・朝霞市・和光市・坂戸市など東上線沿線にも複数あります。日中の居場所兼、学習の場として利用できます
  • オンライン学習・在宅学習サポート——家から出なくても学習やコミュニケーションができる環境が広がっています
  • 教育援護会の相談窓口——「今の状態でどうすればいいかわからない」という段階からご相談を受けています。富士見市から教育相談窓口の委託を受けている当団体に、まずは一言ご連絡ください

編集部からひとこと

「何もしていない」と見えても、子どもは何かと戦っていることが多いです。在宅で過ごす時間を「意味ある時間」にするためにできることはあります。でもそれは、プレッシャーをかけることではなく、安心して「今日も生きていてよかった」と感じられる環境を少しずつ整えていくことなのかもしれません。

一日一日、焦らず一緒に考えていきましょう。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

親が働く間も、子の在宅学習を見守る「ホームスクール見守り」

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