「子の看護等休暇」は不登校でも使える?――有給を使い切る前に知っておきたい制度

不登校のお子さんがいると、学校に代わりに連絡を入れたり、スクールカウンセラーとの面談に付き添ったり、時には体調を崩したお子さんのそばについていたりと、平日の日中に時間を取られる場面が少なくありません。有給休暇はどんどん減っていくのに、休む理由を職場にどう説明すればいいのか分からない――そんなふうに感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。

実は、育児・介護休業法には「子の看護等休暇」という制度があります。名前だけ聞くと「看病のための休暇」というイメージが強いかもしれませんが、近年の見直しで対象となる場面が広がってきています。この記事では、この制度の基本的な仕組みと、不登校の場面で活用を検討するときに知っておきたいポイントを整理します。

「子の看護等休暇」とは、どんな制度?

子の看護等休暇は、育児・介護休業法にもとづき、小学校就学前後の子を養育する労働者が、年に一定日数(子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日が目安とされています)取得できる休暇制度です。もともとは「子の看護休暇」として、病気やけがをした子の世話、予防接種・健診への付き添いを目的とした制度でしたが、法改正により対象年齢や取得目的の範囲が広がり、「子の看護等休暇」という名称に変わった経緯があります。

取得目的には、入学式や卒業式、授業参観といった学校行事への参加なども含まれるようになってきており、事業所によっては不登校に関連した面談や相談への付き添いも「子の世話」として認められる場合があります。ただし、制度の詳細な対象範囲・取得可能日数・時間単位取得の可否は、法改正のタイミングや勤務先の就業規則によって変わるため、この記事の内容を鵜呑みにせず、必ずご自身の勤務先の人事担当や、厚生労働省などの公式情報で最新の内容を確認してください(2026年時点の一般的な制度の傾向として紹介しています)。

不登校の場面で、どう使える可能性があるか

不登校そのものが直接の取得理由として法律に明記されているわけではありません。ですが、次のような場面であれば、勤務先によっては子の看護等休暇の対象として認められることがあります。

  • お子さんが体調不良を訴え、通院や自宅での付き添いが必要なとき
  • スクールカウンセラーや教育相談窓口との面談に付き添うとき
  • 教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールの見学・面談に同行するとき
  • お子さんの精神的な不調が強く、一人にしておくのが難しいとき

一方で、単に「学校を休んでいる子の見守り」だけを理由にした恒常的な取得は、制度の想定する範囲から外れると判断される可能性もあります。年5日(または10日)という日数の上限もあるため、「毎日使える制度」ではなく、「ここぞという場面で使える、有給とは別枠の休暇」として捉えておくのが現実的です。

今日からできる、具体的なアクション

「うちの職場では使えるのだろうか」と迷ったら、まずは事実確認から始めてみてください。

  • 就業規則や社内規程に「子の看護等休暇」の項目があるか、人事・総務に確認する
  • 取得できる日数、時間単位での取得が可能か、給与が支給されるかどうかを聞いておく
  • 不登校に関連した面談や通院が対象になるか、事前に相談してみる(対象が曖昧な場合は「子の世話」として広めに申請できないか聞いてみる)
  • 有給休暇と子の看護等休暇のどちらを使うべきか、残日数を踏まえて年間で見通しを立てておく
  • 直属の上司だけでなく、人事担当にも制度の存在を確認しておくと、認識のズレを防ぎやすい

職場によっては、この制度自体があまり知られていないこともあります。「そんな制度、うちにありましたっけ」と言われることも珍しくないので、厚生労働省などの公的機関が公開している資料を根拠として持参すると、話がスムーズに進みやすくなります。

やってはいけないこと・よくある誤解

制度を活用するうえで、次のような考え方には注意が必要です。

  • 「不登校だから無条件で使える」と思い込み、取得目的を職場に説明せずに休んでしまう
  • 制度があること自体を確認せず、「うちの会社にはどうせない」と最初からあきらめてしまう
  • この休暇だけで平日日中の見守りをすべて解決しようとする(年5〜10日では足りない場面の方が多いはずです)
  • 職場に事情を伝えることを恥ずかしいと感じ、体調不良など別の理由でごまかしてしまう(結果として認識のズレや信頼関係のこじれにつながることもあります)

子の看護等休暇は、あくまで数ある選択肢のひとつです。この制度だけで仕事と不登校の両立をすべて解決しようとせず、有給休暇・時差出勤・テレワークなど、勤務先にあるほかの制度と組み合わせて考えることが現実的です。

ほかにも頼れる窓口・選択肢

職場の制度以外にも、平日日中の負担を分散させる選択肢はいくつかあります。

  • お住まいの市区町村の教育相談窓口・適応指導教室(教育支援センター)
  • ファミリーサポートセンターなど、地域の子育て支援制度
  • 職場の人事・労務担当、あるいは労働局の総合労働相談コーナー
  • 富士見市・ふじみ野市・志木市・三芳町・新座市など近隣エリアの子育て・教育相談窓口

制度の使い方や解釈は職場や自治体によって差があるため、一つの窓口の回答だけで判断せず、複数の場所に相談してみることをおすすめします。

編集部からのメッセージ

「有給がもうない」「これ以上休むと言い出しづらい」という焦りは、不登校のお子さんを持つ働く保護者の方によく伺うお悩みです。子の看護等休暇のような制度は、知っているかどうかで選択肢の幅が変わってきます。まずは「うちの職場にはどんな制度があるのか」を確認するところから、少しずつ負担を減らす方法を一緒に探していけたらと思います。

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