「不登校のきっかけは、いじめだったのかもしれない」——気になったときの確認の仕方と親の向き合い方

お子さまが学校を休み始めたとき、「もしかして、いじめに遭っているのかも……」と感じたことはありますか? はっきりしたことは言わない、表情が曇る、特定の曜日や授業の話を避ける——そういった様子に気づいたとき、親としてどう向き合えばいいのか、迷ってしまうのは自然なことです。

この記事では、「いじめが背景にあるかもしれない」と感じたときに親ができることを、責め立てずに・焦らずに考えるためのヒントとしてまとめています。

「言い出せない子」が多いのはなぜか

いじめを受けている子どもが、自ら「いじめられている」と親に伝えるケースは、実はそれほど多くありません。

理由はさまざまですが、よく聞かれるのは次のようなことです。

  • 「言ったらもっとひどくなる」という恐れ——親が学校に乗り込んでいじめっ子や先生に話してしまうことへの不安
  • 「心配させたくない」という気遣い——特に親が仕事で忙しいと感じているほど、子どもは抱え込もうとしやすい
  • 「自分にも原因があるのかも」という思い込み——自分のせいでいじめられていると思っているため、口に出しにくい
  • 「うまく説明できない」——直接的な暴力ではなく、無視・仲間はずれ・陰口など、言語化しにくいものほど伝えにくい

子どもが「何もない」と言っていても、それがすべてではないことがあります。ただ、だからといって問い詰めることが解決につながるわけでもありません。

「気になる」と感じたとき、まずやってみたいこと

「何かあるかもしれない」と感じたときに、まず試してみたいことをいくつか挙げます。

  • 日常の会話の中で、学校での話を聞く機会をつくる——「最近どう? あの子と仲良くしてる?」ではなく、「今日の給食おいしかった?」「体育どうだった?」くらいのライトな問いかけからはじめる
  • 友達関係の変化に注目する——LINEや遊びの誘いが急に減った、特定の友達の名前が出なくなったなど
  • 「何があっても味方だよ」を普段から伝えておく——いざというときに話しやすくなるのは、日頃の信頼関係から
  • 担任の先生に、それとなく様子を聞く——「クラスの中でどう過ごしているか、気になっていて」と伝えるだけで、先生も見てくれることがある

いきなり「いじめがあったんじゃないか」と追い詰めるのではなく、子どもが話せる雰囲気を少しずつ作っていくイメージです。

子どもが話してくれたとき——受け止め方のポイント

子どもが「実はね……」と話し始めたとき、親の最初の反応がその後の信頼関係を大きく左右します。

まず大切にしたいのは、「すぐに解決しようとしない」ことです。「それなら先生に言おう」「あの子に言い返せばよかった」といった言葉は、子どもにとって「また話すのが怖い」「わかってもらえない」という気持ちにつながることがあります。

代わりに、次のような言葉から入ることを考えてみてください。

  • 「話してくれてありがとう」
  • 「それは辛かったね」
  • 「どんなふうに感じてた?」
  • 「一緒に考えよう」

子どもが話しやすいペースに合わせながら、聞き役に徹する時間を意識的に作ることが、まず一番の支えになります。

よくある誤解——「いじめが解決すれば学校に戻れる」とは限らない

ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。

「いじめが原因なんだから、いじめをなくせば学校に行けるはず」という考え方は、一見正しそうに見えて、実際には難しいことが多いのです。

いじめが解消されたとしても、その期間に積み重なった傷、「また何か起きるかもしれない」という不安、学校という場所そのものに対する苦手感——こうした心理的な影響は、すぐには消えません。

また、いじめ以外にも、発達特性の問題、先生との関係、授業のペースへのしんどさなど、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません(文部科学省の不登校に関する調査でも、不登校の原因は多岐にわたることが示されています)。

「いじめだけを解決すれば終わり」ではなく、子ども全体の状態をゆっくり見ていく視点が、長い目で見たときに大切です。

学校への働きかけ——どう動くか

「いじめがあると確信している」場合、学校への働きかけが必要になることがあります。その際、いくつかの点を押さえておくと動きやすくなります。

  • 担任の先生ではなく、まず学校の窓口(教頭・生徒指導担当)に連絡することも選択肢——担任との関係がうまくいっていない場合や、担任が関わっている場合は、直接より上の立場に話すほうがよいこともある
  • 記録を残しておく——子どもから聞いた話の日付・内容をメモしておく。学校や行政に相談するときの根拠になる
  • 感情的にならず「事実ベース」で伝える——「○月○日、○○から○○と言われた」のように具体的に伝えると、学校も動きやすい
  • 話し合いの場を設けてもらうよう依頼する——口頭のやりとりだけでなく、面談の記録を残してもらうと安心

もし学校との話し合いが難しい、対応が進まないと感じる場合は、市の教育委員会や教育相談窓口への相談も選択肢に入れてください。

埼玉のご家庭へ——身近な相談先を知っておく

富士見市・ふじみ野市・志木市・新座市・朝霞市・和光市など東武東上線沿線のご家庭でも、「いじめが関係しているかもしれない」と感じながら、どこに相談すればいいかわからず、一人で抱えている保護者の方は少なくありません。

利用できる相談先として、次のようなものがあります。

  • スクールカウンセラー——学校に在籍している場合、子ども本人だけでなく保護者も利用できることが多い
  • 市の教育相談窓口——富士見市・川越市・坂戸市・東松山市など、各市に相談担当が置かれています
  • 法務局の子どもの人権110番(0120-007-110)——いじめに関する相談を匿名で受け付けています
  • NPO・民間の相談機関——学校や行政に相談しにくい場合の受け皿として

「うちはいじめかどうかもわからない」という段階でも、相談してみることで整理されることがあります。確証がなくても、「気になっている」ということ自体を話してみてください。

編集部から

「いじめが原因かどうか、よくわからない」「子どもは何も言わない」——それは、答えが出ない問いを一人で抱えているということでもあります。

「はっきりしない」のに動くのが怖い気持ちも、わかります。でも、確証がなくても「気になっている」という段階で誰かに話すことは、決して早まったことではありません。むしろ、一人で抱えていた時間が長いほど、親自身も疲弊していきます。

お子さまのことを心配しているその気持ちは、とても大切なものです。その気持ちを、まず誰かに話してみてください。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

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