朝起きられない・お腹が痛い——登校前の身体症状、どう受け止める?

「朝になると急にお腹が痛くなる」「布団から起き上がれない」「学校へ向かおうとすると頭が痛くなる」——そんな様子が続いているお子さんをお持ちの保護者の方は、心のどこかでこんな気持ちになることがあるかもしれません。「仮病なのかな」「甘えているだけ?」「でも本当につらそうで…」。

その迷いはとても自然なことです。そしてその迷い自体が、お子さんのことを真剣に考えているあかしでもあります。このコラムでは、登校前に現れる身体症状について、まず「どう受け止めるか」という視点で一緒に考えてみたいと思います。

身体症状は「本物の訴え」

登校前に腹痛・頭痛・吐き気・めまいなどの症状が出る場合、まず大切なのは「嘘をついている」とは思わないことです。

心理的なストレスは、実際に身体に症状を引き起こします。これは医学的にも広く認められていることで、「心身症」と呼ばれる状態がその代表です。お子さん自身、なぜ体が痛いのか分からないまま苦しんでいるケースも少なくありません。「行きたくないのにうまく言葉にできないから体が反応している」という見方もできます。

また、身体症状が本当に医療的な原因から来ていることもあります。たとえば「起立性調節障害(OD)」は、思春期に多く見られる自律神経の機能障害で、朝に極端に体が動かなくなるのが特徴です。文部科学省の令和4年度調査でも、不登校の要因のひとつに「病気・けが等」が挙げられており、身体的な背景を軽視できない現状があります。

まず確認したいこと

症状が続く場合、焦って「行かせよう」とする前に、いくつか確認しておきたいことがあります。

  • 症状のパターンを観察する——朝だけ?週に何日?休みの日は元気?夜は眠れている?記録しておくと、医療機関や学校に相談する際に役立ちます。
  • かかりつけ医に相談する——「起立性調節障害かもしれない」と感じたら、小児科や内科でまず診てもらいましょう。特に起立性調節障害は、起き上がり方の工夫や生活習慣の調整で改善することもあります。
  • 学校側に現状を伝える——「今日も休みます」の連絡だけではなく、「最近こういう状態が続いている」と担任の先生やスクールカウンセラーに話しておくと、学校側も動きやすくなります。
  • 本人の話を聴く時間をつくる——症状が出る前後に何かあったか、学校で気になっていることはないか、責めずにただ聞く場をつくってみてください。

「無理に行かせる」より大切なこと

「休ませると癖になる」という声を耳にすることがあります。でも、身体症状が出ている状態で無理に登校させても、かえって状況が悪化するケースも報告されています。

特に起立性調節障害の場合、無理に起こしたり叱ったりすることは症状を悪化させることがあります。「もっと頑張れ」という言葉が逆効果になることもあります。

大切なのは、お子さんが「この家は安心できる場所だ」と感じながら過ごせること。そのうえで少しずつ、本人のペースで回復の糸口を探すことが、長い目で見たときに有効なアプローチになることが多いです。

よくある誤解と、やってしまいがちなこと

保護者として当然感じる焦りや心配が、意図せず追い詰める言葉になることがあります。以下は「気をつけたいこと」として、参考にしていただければと思います。

  • 「みんなは行ってるのに」——比較の言葉は、お子さんの自己評価をさらに下げることがあります。
  • 「先生も心配してるよ」——プレッシャーになり、余計に行きにくくなることがあります。
  • 「熱はないから大丈夫」——体温計で測れないところに問題があるかもしれません。
  • 毎朝「今日は行ける?」と聞く——毎朝その問いが来ること自体がプレッシャーになることがあります。

NG集として見せたいわけではなく、「こういう状況では親も追い詰められているんだ」ということを、まず保護者自身がわかってあげてほしいと思います。誰でも追い詰められれば、焦った言葉が出てしまいます。それは仕方のないことです。

相談できる窓口・選択肢

一人で抱え込まず、地域の相談機関を活用することも選択肢のひとつです。埼玉県西部エリアでは、以下のような窓口があります。

  • 学校のスクールカウンセラー——まず担任か教頭に「スクールカウンセラーと話したい」と伝えると繋いでもらえます。
  • 教育支援センター(適応指導教室)——富士見市・ふじみ野市・川越市・志木市などの各市に設置されており、在籍校に通わなくても出席扱いになる場合があります。
  • 小児科・かかりつけ医——起立性調節障害の疑いがある場合の第一歩。必要に応じて専門医を紹介してもらえます。
  • 教育援護会の相談窓口——富士見市から教育相談窓口の委託を受けている当法人でも、保護者の方からのご相談をお受けしています。「どこに相談すればいい?」というところから一緒に考えます。

編集部からひとこと

「うちの子だけがなぜ…」と感じている保護者の方が、このコラムを読んで「そういうことか」とほんの少し肩の力が抜けてくれたら、それだけで十分です。

正解を押しつけたいわけではありません。お子さんの状態も、ご家庭の状況も、それぞれ違います。ただ、「どこにも相談できない」と感じているなら、ぜひ一度声をかけてみてください。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または TEL 049-255-5444 へどうぞ。

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