不登校と仕事の両立、どうすればいい?——共働き家庭が直面する現実と、今できること
子どもが突然「学校に行きたくない」と言い始めたとき、頭の中でいくつもの不安が同時に走り出す保護者は少なくありません。「どうして?」「いつ戻れる?」という子どもへの心配と同時に、「自分は仕事を続けていいのか」「日中、子どもをひとりにして大丈夫か」という、親としての現実的な問いも浮かんでくる。共働き家庭やシングルで働いている保護者にとって、不登校の始まりはそういう二重の重さを持ちます。
このコラムでは、「働きながら不登校の子を支える」というリアルな難しさに向き合いながら、今すぐ何ができるかを一緒に考えてみます。
「仕事を辞めるべきか」と悩んでいるあなたへ
仕事を辞めて子どものそばにいてあげるべきか——これは、多くの保護者が真剣に考える問いです。でも、答えを急ぐ必要はありません。
不登校になったばかりの時期は、子ども自身も何が起きているかよくわかっていないことが多く、親がそばにいることで安心できる場合もあれば、逆にプレッシャーになってしまう場合もあります。「親が仕事を辞めてくれた=自分のせいで犠牲にさせた」と感じて罪悪感を覚えるお子さんもいます。
まずは「辞める・辞めない」より先に、「今この子に何が必要か」を見極める時間を持つことが先決です。数週間、有給や勤務形態の調整で様子を見てから判断しても、遅くはありません。
日中ひとりにすることへの心配——現実的に考える
子どもを日中ひとりにすることへの罪悪感は、多くの親御さんが感じていることです。特に小学校低・中学年のお子さんの場合、「一人にして大丈夫か」という心配は切実です。
ただ、「ひとりの時間」がすべて危険というわけでもありません。お子さんの状態や年齢にもよりますが、環境を整えることで、在宅でも安心して過ごせる状況を作ることはできます。
- 緊急連絡の方法を事前に確認——親の携帯番号、近くの大人(祖父母・近所の方)の連絡先を目に見える場所に貼っておく
- 食事はあらかじめ用意——レンジで温められるものを準備する。「食べなくてもいい、でもあるから」と伝えておくのがコツ
- 外出・施錠のルールを話し合う——「○時以降は出ていい」「鍵はここにある」など、曖昧にせず事前に決めておく
- 「好きなことをして過ごしていい」と伝える——勉強を強制するより、過ごし方を肯定するメッセージを朝に添えておく
完全に「監視」しようとするより、「信頼していること」を伝えながら何かあればすぐつながれる状態を作ることが、子どもの安心感にもつながります。
職場への伝え方と、使える制度
「子どもが不登校」ということを職場にどこまで伝えるか、悩む方も多いと思います。フルオープンにする必要はありません。「子の体調管理が必要な時期」程度の伝え方でも、勤務形態の相談につなげることはできます。
- 子の看護休暇(年5日・有給扱いになる場合あり)——不登校初期など一時的な対応に使いやすい制度です
- フレックスタイム・時差出勤——朝の様子を見送りやすくなり、登校刺激を与えない「送り出し」の時間をとれます
- テレワーク・在宅勤務——完全在宅でなくても週に数日使えれば、子どもが「誰かいる」と感じられる日を作れます
- 育児・介護休業法(2025年施行・柔軟就労の拡大)——小学校在学中の子を持つ保護者が柔軟な働き方を申し出やすくなりました
人事や上司への相談は、「しばらく子どもの様子を見る必要があって」という言い方で切り出すと、具体的な調整の話に発展しやすいです。「不登校」という言葉を使わなくても、家庭の事情として伝えることは十分可能です。
子どもが一人で過ごす時間をどう整えるか
親が仕事に出ている間、子どもがどう過ごすかは気になるポイントです。「何もしなくていい」という自由な時間が回復につながることもある一方で、「何もできなかった」という自己嫌悪が積み重なるケースもあります。
押し付けではなく、「今日こんなことしてみようか」という軽い提案を前日にしておくのも一つの方法です。
- 好きな本・動画・音楽で過ごす「自由時間」を肯定する——好きなことに集中できているなら、それは「完全に閉じている」状態ではありません
- 小さな役割を持ってもらう——「洗濯物を取り込んでおいて」「食べたら皿をシンクに」くらいの小さな依頼が、本人の自己効力感につながることがあります
- 「あるよ」スタイルの学習リソース——NHK for SchoolやYouTubeの学習系動画を「見てもいいし見なくてもいい」と提示しておく。強制しないことが大切
- 朝の「行ってきます」、帰宅後の「ただいま」を大切に——短いやりとりだけでも、子どもは「親はそこにいる」と感じられます
地域の相談窓口・サポートを使う(富士見市・東上線沿線)
富士見市・ふじみ野市・志木市・新座市・朝霞市・川越市など東武東上線沿線の各市には、不登校に関する教育相談窓口があります。「仕事と不登校の両立で限界」「子の見守りが心配」という状況も、相談の立派な理由になります。
- 富士見市教育相談窓口(教育援護会が委託運営)——働きながら子に向き合う保護者の相談にも応じています。「どこに相談すればいいか」から話してもらえます
- 適応指導教室(学習支援センター)——各市に設置されており、日中子どもが過ごせる居場所として活用できます。保護者が仕事中でも子どもが安心して通える場所の一つです
- スクールカウンセラー——学校を通じて利用可能。学校側との橋渡しとしても機能するため、仕事で学校に連絡しにくい保護者にとっても助けになります
- フリースクール——ふじみ野市・志木市・川越市周辺にも複数あります。日中の居場所確保という観点でも選択肢になります
「相談する時間もない」という方も、メールや問い合わせフォームから始める方法があります。まず一言だけでも投げてみることで、次のステップが見えてくることがあります。
編集部からひとこと
働きながら不登校の子を支えているご家庭は、二重の負担を背負っています。「子どものそばにいてあげられない」という罪悪感を持つ保護者は多いですが、それはあなたが「悪い親」だからではありません。
生活を守りながら子どもを見守ることも、立派な育児です。「仕事を辞めなきゃ」「何もしてあげられていない」と自分を責め続けることより、今できる小さな関わりを積み重ねることのほうが、子どもには伝わるものがあります。一人で抱えすぎず、相談の場をうまく使いながら進んでください。
教育援護会について
本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。
- 🌱 不登校生サポート・保護者相談
- 📘 学び直し・高卒サポート
- 💴 独自奨学金制度・教育ローン
- 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
- 🧹 地域ボランティア活動
「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。
親が働く間も、子の在宅学習を見守る「ホームスクール見守り」
「日中ひとりにするのが心配」「仕事を続けられるだろうか」──そんなご家庭のために、教育援護会は在宅学習を見守るアプリ「ホームスクール見守り」を運営しています。AIが学習をやさしくナビし、離席が続けば保護者にメールでお知らせ。無料で始められ、全機能でも月額1,800円です(小1〜中3対象)。▶ ホームスクール見守りの詳細を見る
