不登校中のゲーム・スマホ漬け——「このままでいいの?」と感じる前に
学校を休み始めてから、子どもがほぼ一日中ゲームやスマホを触っている——そんな状況に、「このままで大丈夫なのか」「依存になってしまうのでは」と不安を感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。
「勉強もせずにゲームばかり」という状況は、傍から見れば怠けているように映ることもあります。でも、不登校の子どもにとってのゲーム・スマホの意味は、そう単純ではないことが多いです。このコラムでは、保護者として何を見ておくべきか、どう関わればいいかを一緒に考えてみたいと思います。
ゲーム・スマホを「逃げ」と決めつける前に
不登校になった子どもがゲームに没頭する背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 安心できる「居場所」として機能している——学校という場で傷ついた子にとって、ゲームの世界はルールが明確で、失敗してもやり直せる安全な空間です。
- 承認欲求が満たされる——オンラインゲームの仲間やSNSのやり取りを通じて、「必要とされている」「つながっている」という感覚を得ている子もいます。
- 考えないために使っている——学校のこと、将来のこと、自分のことを考えると苦しいので、頭を「オフ」にするためにスマホを触り続けているケースもあります。
- 単純に暇——昼間の時間をどう過ごせばいいか分からず、消去法でゲームになっているだけのこともあります。
どのパターンにせよ、ゲームやスマホそのものが「問題の原因」ではなく、今の状況に適応しようとした結果であることが多いです。まずその視点を持っておくと、子どもへの関わり方が少し変わるかもしれません。
本当に心配すべき「サイン」はここを見る
「ゲームをしている=危険」ではありませんが、以下のような状態が続いているときは、少し注意が必要かもしれません。
- 睡眠が著しく乱れている——深夜2〜3時まで起きて、昼過ぎに起きるサイクルが固定化している場合、身体のリズムが崩れ、回復の機会が遠のくことがあります。
- 食事を抜くほど没入している——「ご飯の時間になっても全く反応しない」「呼びかけにも返事がない」という状態が日常化しているなら、コミュニケーション自体が途切れている可能性があります。
- ゲームを制限するとひどく荒れる——取り上げようとしたり制限をかけると激しく怒るのは、それだけゲームが「唯一の逃げ場」になっているサインのこともあります。無理な制限は逆効果になりがちです。
- 家族とのやり取りがほぼゼロ——「おはよう」「ご飯」「おやすみ」すら言葉を交わさない状態が続いているなら、孤立感が深まっている可能性があります。
逆に言えば、ゲームをしながらでも家族と会話できている、ご飯は一緒に食べている、笑う場面がある——そんな状態なら、今はゲームがある種の「安定剤」になっていると見ることもできます。
やってしまいがちな対応と、その影響
保護者として当然の心配から来る言動でも、状況を難しくしてしまうことがあります。
- Wi-Fiを強制的に切る・端末を取り上げる——「依存を断ち切る」つもりでも、子どもにとっては「唯一の居場所を奪われた」という体験になります。信頼関係に亀裂が入り、その後の対話が難しくなることも。
- 「勉強してからゲーム」ルールを一方的に設ける——学校を休んでいる子に「勉強」をセットにすると、ゲームすらできない状況になり、気力がさらに落ちるケースがあります。
- 「そんな時間あるなら学校行けるでしょ」——元気そうに見えるから、という論理は子どもには伝わりません。元気がなくてもゲームはできます。これは責めているように聞こえてしまいます。
- ゲーム仲間や推しの話を否定する——スマホやゲームを通じたつながりを「そんな友達は友達じゃない」と否定すると、数少ない安心のよりどころを傷つけることになります。
今日からできる関わり方のヒント
「何もしない」でも「強く管理する」でもなく、その中間の関わり方を探してみてください。
- ゲームの内容に少し興味を持つ——「何やってるの?」「それ面白そうだね」くらいの軽い声かけが、会話の入り口になることがあります。攻略法を聞いてみるのもありです。
- ご飯の時間だけは一緒に、を続ける——食事の場が唯一の「顔を合わせる時間」になることもあります。そこで話を引き出そうとしなくていいので、ただ一緒にいる時間を保つことが大切です。
- 「夜○時までは大丈夫」という目安を、一緒に決める——一方的に制限するより、子どもが「納得した」形のルールの方が守られやすいです。急に変えず、徐々に整えていく発想で。
- 睡眠だけは崩しすぎないよう、静かに働きかける——昼夜逆転が極端になると身体への影響も大きいです。「朝ごはんだけ一緒に食べよう」など、起きる理由を小さくつくる工夫が役立つことがあります。
「ゲーム依存」が本当に心配なときは
WHO(世界保健機関)は2019年に「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を国際疾病分類(ICD-11)に追加しました。ただし、これは日常生活が著しく損なわれ、1年以上その状態が続く場合を指すものであり、「ゲームが好き」「不登校中にゲームをよくしている」というだけでは当てはまりません。
本当に心配な場合は、小児科や思春期外来、精神科・心療内科に相談することができます。「ゲーム依存かもしれない」という切り口でも、受け付けてもらえます。また、埼玉県内では依存症に関する相談を受ける窓口(精神保健福祉センターなど)も設置されています。
相談できる場所
「うちの子のゲーム・スマホの使い方、普通なのかな」という漠然とした不安でも、相談の入り口として活用できる場所があります。
- 学校のスクールカウンセラー——学校を休んでいても、保護者だけで相談できます。担任か教頭に「カウンセラーと話したい」と伝えると繋いでもらえます。
- 教育支援センター(適応指導教室)——富士見市・ふじみ野市・川越市・志木市などの各市に設置されており、子どもの生活リズムや居場所づくりの相談もできます。
- 小児科・かかりつけ医——「スマホ・ゲームの使い方が気になっている」という相談ができます。必要であれば専門機関に繋いでもらえます。
- 教育援護会の相談窓口——「どこに相談すればいいかわからない」「話を聞いてほしい」というレベルでも、富士見市から教育相談窓口の委託を受けている当法人でお受けしています。
編集部からひとこと
「ゲームばかりしている」状況を見ながら、何もできずにいる自分を責めている保護者の方も多いと思います。でも、関係を壊さずにそばにいること自体、大切なことです。
子どもがゲームやスマホに向かっている間、保護者は「何をすべきか」ではなく「どんな状態でそこにいるか」を意識することが、長い目で見ると関係を保つ鍵になることがあります。
答えは家庭によって違います。「こうすれば必ず解決する」というものはありません。だからこそ、一人で考え続けるより、誰かに話してみることが次の一歩になることもあります。
教育援護会について
本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。
- 🌱 不登校生サポート・保護者相談
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- 💴 独自奨学金制度・教育ローン
- 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
- 🧹 地域ボランティア活動
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