家でひとりの不登校の子、何を感じているんだろう——孤独感を和らげるために親ができること

仕事に出かけるとき、玄関で見送った子どもの顔は、どんな表情でしたか。「いってらっしゃい」と言えていましたか。それとも、何も言わず布団の中にいましたか。

帰宅してみると、ゲームの画面を見ていた、ぼーっとテレビを見ていた——「大丈夫そう」に見えても、何時間も一人で家にいた子どもの心の中は、外からは見えにくいものです。不登校になると、かつて学校で過ごしていた長い時間が、ひとりでいる時間に変わります。その時間の中で、子どもが何を感じているのか。今日はその点を、少し一緒に考えてみたいと思います。

「ひとり」でいる時間が、思った以上に長い

学校に通っているとき、子どもは朝から夕方まで友達や先生と過ごしています。好きな授業も、退屈な授業も、給食も、休み時間も——誰かがいる中で時間が流れていました。

不登校になると、その時間がごっそりなくなります。保護者が仕事に出かけると、子どもは一人で長い時間を過ごすことになります。この「ひとりでいる時間の長さ」は、大人が思っている以上に子どもにとって大きな変化です。

「ゲームをしているから平気そう」「好きなことをしているから大丈夫」——外から見るとそう見えても、その内側で何かが積み重なっていることがあります。

家でひとりのとき、子どもが感じていること

不登校の子どもが家で一人過ごす時間に、どんなことを感じているのか。すべての子どもが同じというわけではありませんが、多くの子が経験することとして、次のようなことが挙げられます。

  • 「誰もいない」という孤独感——友達は今ごろ学校にいる、という感覚が重なると、「自分だけ取り残されている」と感じやすくなります
  • 手持ち無沙汰からくる不安——「何かしないと」という気持ちと「何もできない」という感覚が混在し、かえって焦りや自己嫌悪につながることがあります
  • 親への罪悪感——「自分のせいで親が仕事中も心配しているかもしれない」という気持ちを、子ども自身が密かに抱えていることがあります
  • 時間の感覚が狂う——外出がなく、メリハリのない時間が続くと、昼なのか夜なのか、今日は何曜日かも曖昧になり、ぼんやりした不安が増しやすくなります

これらは「甘え」でも「怠け」でもなく、長い孤独な時間の中で起きやすいことです。

「大丈夫」と言う子どもの、その奥にあるもの

「どうだった?」と聞くと「別に」「普通」と答える子は多いです。帰宅後の親の顔を見て、「心配かけたくない」という気持ちが先に出てくることがあります。

「寂しかった」「退屈だった」「不安だった」——そう言えたら楽になるのに、言えない理由があります。

  • 「また迷惑をかける」と思いたくない
  • 「学校にも行けないのに、ぐちを言う資格があるのか」という罪悪感
  • 「言っても何も変わらない」という諦め感

こうした気持ちを抱えたまま、子どもは「大丈夫」と言います。親にとっては「安心」な言葉ですが、子どもにとっては孤独をもう一重かぶせている言葉でもあるかもしれません。「大丈夫」という返事に、ひとまずほっとしながらも、どこかひっかかりを感じる親御さんの直感は、あながち外れていないと思います。

離れていても「つながっている」と感じてもらうための工夫

「仕事中なのに頻繁に連絡なんてできない」という状況はよくわかります。でも、ほんのわずかなことで、子どもが感じる孤独感が変わることがあります。

  • 出かける前に短く声をかける——「お昼ごろLINEするね」「〇時には帰るよ」という一言が、子どもの時間に小さな"区切り"を作ります
  • 昼間に短いメッセージを送る——「お昼食べた?」「今日は蒸し暑いね」程度のひと言でも、「忘れられていない」という感覚になります
  • 帰宅後すぐにスマホを見ない——家に帰ってまず顔を向けるだけで、子どもの受け取り方が変わることがあります
  • 自分の話を少ししてみる——子どもに「話して」とプレッシャーをかけるより、親が先に「今日こんなことがあったよ」と話すと、子どもも話しやすくなることがあります

「子どもを見守る」とは、ずっとそばにいることではなく、「ここにいるよ」という感覚を届け続けることかもしれません。完璧でなくていい。できる範囲で、続けることが大切です。

孤独感が長引くと、どんな変化が出やすいか

ひとりでいる時間が長期にわたると、子どもの状態が少しずつ変わることがあります。すべての子がこうなるわけではありませんが、気にしておきたい変化として次のようなものがあります。

  • 昼夜逆転・夜型化が進む(昼間に外の音を聞かなくなると、夜の方が落ち着くようになることがあります)
  • 自室にこもりがちになる、カーテンを閉めっぱなしにする
  • 「どうせ自分なんか」「何をやってもだめだ」という言葉が増える
  • 以前は出られていた外出が、少しずつ難しくなっていく

こうした変化が見えてきたときは、「孤独な時間が積み重なっているサイン」として受け止めてみてください。「気合いが足りない」「意志が弱い」ということではなく、ひとりでいる時間が長すぎて、心と身体のリズムが少しずつ崩れてきている状態です。

富士見市・東上線沿線で使える「居場所・つながり」の選択肢

「ひとりでいる時間をどう補うか」という視点で、使える選択肢を整理しておきます。

  • 適応指導教室・教育支援センター——富士見市・ふじみ野市・志木市・新座市・朝霞市・和光市など東武東上線沿線の各市に設置されています。週に数日「学校ではない場所」で誰かとともに過ごせる環境があり、孤独な在宅時間を減らすことにもつながります
  • 放課後の居場所・子ども食堂——地域の支援団体が運営する居場所は、時間帯や対象が限られる場合がありますが、担当窓口に相談してみる価値があります
  • NPO・フリースクールのゆるいつながり——週一、二日から参加できるプログラムを持つ団体もあります。毎日通わなくていい、ゆるくつながれる場所として機能することがあります
  • 在宅でのデジタルつながり——仕事中に様子が気になるとき、子どもが「誰かに気にかけてもらっている」と感じやすくなる工夫として、学習ツールや連絡手段を活用するご家庭もあります

「完璧な解決策」はなかなかありません。でも、「今の状態をどう少し楽にするか」という視点で、一つひとつ試してみることが、次の一歩につながっていきます。

編集部から

「家でひとりでいる子どもが何を感じているか」——正直なところ、本人でも言葉にしにくいことが多いと思います。「大丈夫」という言葉の裏に、言えなかったことが積み重なっているかもしれない。その可能性を頭の片隅に置いておくだけで、帰宅後の過ごし方が少し変わるかもしれません。

「見ているよ」「気にしているよ」という気持ちを届けようとすること自体は、忙しい日々の中でも確かに子どもに伝わります。完璧なサポートでなくていい。あなた自身が無理をしすぎないことも、大切な見守りの一部です。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声がけください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

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