不登校の子への声かけ——「なぜ行けないの?」より先に知っておきたいこと

「なんで学校に行かないの?」「みんな待ってるよ」——心配するからこそ、つい口をついて出てしまう言葉があります。でも、その言葉が子どもをさらに追い詰めていることは少なくありません。この記事では、不登校の子どもへの声かけで「やってしまいがちなこと」と、代わりになる伝え方のヒントを整理してみます。正解を示すというよりは、「こういう見方もある」という視点として読んでもらえたらと思います。

子どもは「行かなければ」と、すでにわかっている

不登校になっている子どものほとんどは、「学校に行かなければならない」ことを頭ではわかっています。だからこそ、行けない自分に罪悪感や自己嫌悪を抱えています。

「なんで行けないの?」という問いかけは、親としては理由を知って手を打ちたいという自然な気持ちからのものです。ただ、子どもにとっては「また問い詰められた」「うまく答えられない自分はおかしい」という感覚につながることがあります。うまく言語化できない状態のときほど、「理由を言わなければいけない」プレッシャーは重くのしかかります。

つい言ってしまいがちな言葉——なぜ逆効果になることがあるのか

悪意があるわけではなくても、不登校初期の子どもには伝わり方が変わってしまう言葉があります。

  • 「なんで行けないの?」——責めているように聞こえることがある
  • 「みんな待ってるよ」——プレッシャーとして受け取られやすい
  • 「そろそろ行かないと遅れるよ」——焦りを煽り、自信を削ぐ方向に働く
  • 「明日は行ける?」——「また期待に応えられないかもしれない」という不安を毎日生む
  • 「お母さん(お父さん)も困ってる」——罪悪感を増やし、自己肯定感をさらに下げる

特に「明日は行ける?」という言葉は、毎朝繰り返されると子どもにとって非常に重い問いになります。前日の夜から「明日どうしよう」と思い悩むサイクルに入り、眠れなくなることもあります。

これらの言葉が積み重なると、子どもが「親には話せない」「部屋にいたい」という方向へ向かいやすくなります。意図とは逆に、距離が広がってしまうことがあります。

「聞いてもらえた」と感じる声かけのヒント

声かけに「正解の言葉」はありません。ただ、「否定しない・急かさない・提案より先に受け取る」という方向性は共通しています。

  • 「今日はつらそうだね。ゆっくりしてていいよ」
  • 「何か話したいことがあったら聞くよ」(すぐに返事は求めない)
  • 「ご飯できたよ」「好きなもの買ってきたよ」といった、日常の言葉を続ける
  • 「学校のことは今日は考えなくていいよ」

「何があったか話してほしい」という気持ちは自然なことです。ただ、子どもが話せるかどうかは「準備ができているかどうか」によります。まだその段階でないときに聞き出そうとすると、かえって話せなくなることがあります。「いつでも話せる」という空気をつくっておくほうが、長い目で見ると話してもらえる可能性が高まります。

「何も言わずそこにいる」でいい時期もある

子どもが部屋に閉じこもっているとき、声をかけ続けなければという焦りから「今どんな気持ち?」「何か言ってよ」と問い続けてしまうことがあります。でも、エネルギーが最も落ちている時期は、「何も問われずにそこにいてもらえる」だけで安心できることがあります。

ドアの前にそっと食事を置く、「おはよう」だけ声をかけてその場を離れる——それで十分な時期があります。「何もできていない」ではなく、その存在を示し続けることが、子どもにとっての安全基地になっていることがあります。

このことを知っているだけで、「もっと何かしなければ」という親自身の焦りが少し和らぐことがあります。

「別の場所・別の選択肢」を提案するタイミング

フリースクールや教育支援センター、オンライン学習など「学校以外の場所」の話を出すタイミングは、子どもが少し安定してきて「外の話が聞ける」状態になってからのほうが伝わりやすいです。

「行きたくないなら別の場所があるよ」は善意の提案ですが、まだ動く気力がない時期に出てくると「また行かされる話が始まった」と感じさせてしまうことも。「そういう選択肢があることは知っている、いつでも話せる」という雰囲気を先につくっておくことが、タイミングが来たときに動きやすくなるための準備になります。

富士見市・ふじみ野市・志木市・新座市など東武東上線沿線エリアには、教育支援センターや民間のフリースクールがいくつかあります。「まずどんな場所があるか知っておきたい」という段階での情報収集から始めてみてもいいと思います。

編集部から

「正しい声かけをしなければ」と思うと、かえって言葉が出てこなくなることがあります。不登校の子どもへの接し方に「これをやれば必ず大丈夫」という方法はなく、その子の状態・時期・関係性によって変わってきます。

「どう声をかければいいかわからない」「うまく接せられている気がしない」——そう感じたとき、それ自体は子どもと向き合っている証拠でもあります。一人で抱え込まず、誰かに話せる場所を持っておくことが、親自身の余裕にもつながります。

「具体的にどう話しかければいいか、一緒に考えてほしい」という方は、教育援護会にご相談ください。富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・新座市など東武東上線沿線からのご相談もお受けしています。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

  • 🌱 不登校生サポート・保護者相談
  • 📘 学び直し・高卒サポート
  • 💴 独自奨学金制度・教育ローン
  • 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
  • 🧹 地域ボランティア活動

「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。

親が働く間も、子の在宅学習を見守る「ホームスクール見守り」

「日中ひとりにするのが心配」「仕事を続けられるだろうか」——そんなご家庭のために、教育援護会は在宅学習を見守るアプリ「ホームスクール見守り」を運営しています。AIが学習をやさしくナビし、離席が続けば保護者にメールでお知らせ。無料で始められ、全機能でも月額1,800円です(小1〜中3対象)。▶ ホームスクール見守りの詳細を見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です