子どもの「あいさつ」「ありがとう」、言えないときどうする?――叱る前にできる、家庭でのマナーの育て方
「ちゃんとあいさつしなさい」「ありがとうは?」――お子さんに、つい繰り返し言っていませんか。声が小さい、目を合わせない、言われないと「ごめんなさい」が出てこない。そんな姿に、心配になる保護者の方は少なくありません。
この記事では、富士見市・ふじみ野市・志木市・川越市など東武東上線沿線のご家庭でも取り入れやすい、「あいさつ」や「マナー」を無理なく育てる関わり方を整理します。
あいさつは「できる・できない」ではなく「育っていくもの」
あいさつは、生まれつきの性格や「しつけの出来」だけで決まるものではありません。人見知りの強さ、その場の緊張、相手との慣れ具合によって、同じ子でも出方が変わります。とくに内向的な子や環境が変わったばかりの子は、気持ちはあっても声に出せないことがよくあります。
「できていない」と決めつける前に、「今はまだ出しにくい時期かもしれない」と捉えてみると、保護者の側の気持ちも少し楽になります。
いちばん効くのは、保護者自身の姿
子どもは、言葉で教えられたことよりも、身近な大人の姿を見て真似をして覚えていく面が大きいと考えられます。家庭で次のような場面を意識してみてはいかがでしょうか。
- 朝・帰宅・食事の場面:「おはよう」「おかえり」「いただきます」を、大人が先に自然に口にする
- お店や近所での場面:レジの方や、すれ違う近所の方に、保護者が軽く会釈や声かけをする
- 家族の間でも:何かをしてもらったとき、親子でも「ありがとう」「ごめんね」を言葉にする
- うまくいかなかったとき:保護者自身が間違えたときに、素直に謝る姿を見せる
声かけのコツ――「強制」より「きっかけ」と「認める」
- 人前で言わせようとしない:相手の前で「ほら、あいさつ!」と迫ると、緊張してかえって言えなくなることがあります。まずは保護者が先にあいさつして見せましょう
- 小さな反応を認める:声が出なくても、会釈やうなずき、手を振るだけで十分な一歩です。後から「ちゃんと伝わっていたよ」と伝えます
- 理由を短く伝える:「あいさつは、あなたの気持ちを相手に届ける方法だよ」など、やさしい言葉で意味を話します
- あとで一緒に振り返る:その場で叱るより、落ち着いてから「次はどうしてみようか」と話す方が届きやすいです
- ごっこ遊びで練習する:お店屋さんごっこなどで、「ありがとう」「お願いします」を遊びの中で使ってみる方法もあります
ありがちな誤解
- 「あいさつができない子は、礼儀知らず」→ 緊張や不安、慎重さが背景にあることもあります。性格や気質の違いとして受け止める視点も大切です
- 「何度も言わせれば身につく」→ 言わされる経験が続くと、「あいさつ=怒られること」と結びついてしまうことがあります
- 「マナーは厳しく教えるもの」→ 守る理由が伝わらないと、人目があるときだけの行動になりやすいと言われます。「相手も自分も気持ちよく過ごせるように」という視点を添えましょう
- 「うちの子だけできていない」→ 比べる必要はありません。時期や現れ方には個人差があります
頼れる窓口・つながり方
あいさつや人との関わりについて、「話しかけられると固まってしまう」「集団の中で強い不安を見せる」「学校や園で孤立しているようだ」など、ご家庭だけで抱えるのがつらいときは、一人で悩まずに相談してみてください。制度や窓口の内容は自治体・学校ごとに異なりますので、最新の情報は各学校・各市の公式案内でご確認ください。
- 担任の先生や、学校・園での様子を知っている先生
- スクールカウンセラーなど、学校の相談体制
- お住まいの市の教育相談窓口・子育て相談窓口
- 地域の児童館や、世代の違う人と触れ合える地域行事の場
地域の行事や登下校の見守りなど、顔見知りの大人と自然に言葉を交わせる機会も、あいさつを無理なく練習できる場になります。
編集部からのメッセージ
あいさつやマナーは、「させる」ものというより、「安心できる関係の中で、少しずつ身についていく」ものです。大きな声で言えた日も、会釈だけだった日も、お子さんなりの精一杯の表現かもしれません。まずは保護者が笑顔で「おはよう」を届けることから、始めてみてください。
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