不登校の子は全国で35万人超――文科省の最新調査から見える現状と、仕事をしながら見守る親ができること
ニュースで「不登校の子どもが過去最多」と聞くと、胸がざわつく方は少なくないと思います。「うちの子だけじゃなかったんだ」とほっとする気持ちと、「こんなに増えていて大丈夫なのか」という不安が、同時に湧いてくることもあるでしょう。仕事をしながら日々お子さんを見守っている保護者の方なら、なおさらです。
この記事では、文部科学省の調査結果をもとに、不登校の現状を整理します。数字を並べて不安をあおることが目的ではありません。「同じ状況の家庭は決して少なくない」と知ることが、ひとりで抱え込まないための材料になればと考えています。
文科省の調査でわかっている、不登校の現状
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和6年度)によると、小・中学校の不登校の児童生徒数は次のとおりでした。
- 小・中学校全体:353,970人(前年度346,482人)で過去最多、12年連続の増加
- 小学校:137,704人(前年度130,370人)
- 中学校:216,266人(前年度216,112人)
- 児童生徒1,000人当たりでは38.6人(前年度37.2人)
1,000人当たり38.6人というのは、単純に考えると、1学年に100人いれば、そのうち数人は不登校という計算になります。「特別なご家庭の話」ではなく、身近に起こりうることだとわかります。
数字から読み取れる、少し明るい変化もあります
同じ調査では、人数は過去最多となったものの、増加のペースには変化が見られたと報告されています。
- 増加率は小・中学校全体で2.2%(前年度15.9%)と大きく低下
- 新たに不登校となった子どもの数(新規不登校)は小・中学校合計で153,828人(前年度165,300人)で、9年ぶりに減少
- 不登校の状態が翌年度も続いた割合(継続率)は、小学校71.7%、中学校77.1%で、いずれも前年度より低下
文科省は、増加率が下がった背景として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用、校内外の教育支援センターの整備、保護者への相談支援や情報提供の充実などを挙げています。一方で、不登校の児童生徒数が減少する水準には至っていないとも述べています。つまり「良くなった」と言い切れる段階ではなく、「支える仕組みが少しずつ広がっている途中」と受け止めるのが近いかもしれません。
不登校の子の「学びの場」は、学校の外にも広がっています
同じ調査から、相談や学びの場について次のような状況がわかっています(いずれも小・中学校)。
- 不登校の児童生徒の61.7%が、学校内外の機関などで専門的な相談・指導等を受けていた
- 学校外の機関等で相談・指導を受け、指導要録上の出席扱いとされた児童生徒は42,978人
- 自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いとした児童生徒は13,261人
- 令和6年度から調査された、自宅や学校外での学習の成果を指導要録に反映した児童生徒は81,467人
「学校に行けない=学びが止まる」とは限らない、という選択肢が、制度の面でも少しずつ形になってきています。出席扱いや評価の取り扱いは学校や自治体の判断による部分が大きいので、気になる場合は在籍校の先生や教育委員会にご確認ください。
自宅学習の出席扱いについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。
数字との向き合い方:安心材料にして、比べすぎない
- 「多いから大丈夫」と流さなくていい:人数が多くても、目の前のお子さんの悩みや保護者の疲れが軽くなるわけではありません
- 「こんなに増えている」と焦らなくていい:全国の数字は、お子さん一人ひとりの今後を決めるものではありません
- 他の子や平均と比べすぎない:回復や次の一歩のペースは、本当に人それぞれです
- 相談につなぐきっかけにする:同じ状況の家庭が多いからこそ、支援の窓口も増えています
不登校の理由として最も多く把握されていたのは「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(30.1%)で、次いで「生活リズムの不調に関する相談があった」(25.0%)、「不安・抑うつの相談があった」(24.3%)でした。理由はひとつに絞れず、重なっていることも多いと考えられます。「親の育て方のせい」といった単純な話ではないことが、この点からもうかがえます。
今日からできること、頼れる窓口
- 今の気持ちを話せる相手(家族、信頼できる友人、親の会など)を一人見つける
- 在籍校の担任の先生、養護教諭、スクールカウンセラーに、困りごとを短く共有する
- お住まいの市町の教育委員会・教育相談窓口に連絡してみる(富士見市では、当NPOが教育相談窓口の委託を受けています)
- ふじみ野市・志木市・川越市・新座市など東上線沿線にも、教育支援センターや相談機関があります。まずは「どんな支援があるか聞くだけ」でも大丈夫です
調査結果や制度は毎年更新されます。2026年10月時点で文部科学省が公表している最新の確定版は令和6年度の調査です。最新の情報は、文部科学省や各自治体の公式発表でご確認ください。
編集部からのメッセージ
統計の数字は、ひとつひとつが「悩みながら毎日を過ごしているご家庭」の集まりです。お仕事をしながら、お子さんのことを考え続けているあなたも、その一人。決してひとりではありません。数字が気になって眠れない夜は、画面を閉じて、少し休んでください。話したくなったときには、いつでもお声がけください。
教育援護会について
本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。
- 🌱 不登校生サポート・保護者相談
- 📘 学び直し・高卒サポート
- 💴 独自奨学金制度・教育ローン
- 🎵 チャリティコンサート(収益は奨学金活動へ)
- 🧹 地域ボランティア活動
「相談していいのかな?」と迷うレベルでもまずはお声掛けください。お問い合わせフォーム または kyouikuengokai@gmail.com までメールでどうぞ。
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