下の子が生まれたら上の子が「赤ちゃん返り」――叱る前に知っておきたい気持ちの背景と、家庭での関わり方

下の子が生まれてしばらくすると、しっかり者だった上の子が急に「抱っこして」「赤ちゃんみたいに食べさせて」と言い出した。おむつが外れていたのにトイレを失敗するようになった——。そんな「赤ちゃん返り」に戸惑い、つい「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ」と言ってしまって、あとで自己嫌悪になる保護者の方は少なくありません。

この記事では、赤ちゃん返りの背景と、家庭でできる関わり方、頼れる相談先を整理します。富士見市・ふじみ野市・志木市・川越市など東武東上線沿線で子育てをされているご家庭にも、気持ちを軽くするヒントになれば幸いです。

赤ちゃん返りは「困った行動」ではなく「気持ちのサイン」

赤ちゃん返り(退行)とは、下のきょうだいの誕生や引っ越し、環境の変化をきっかけに、上の子が以前の幼い状態に戻ったように見える行動のことです。甘えが強くなる、指しゃぶりが再開する、夜泣きや癇癪が増える、トイレの失敗が増える、といった形で表れることがあります。

背景には、「お父さん・お母さんを取られてしまうのでは」という不安や、「自分も見てほしい」という気持ちがあると考えられています。わざと困らせているのではなく、気持ちをうまく言葉にできないために行動で伝えている、と捉えると、受け止め方が少し変わってきます。

表れ方や続く期間は子どもによってさまざまで、まったく目立たない子もいます。「こうなったら異常」という線引きはなく、比べる必要もありません。

家庭でできる関わり方のポイント

  • 短くても「その子だけの時間」を作る:1日5〜10分でも、下の子を預けたり寝ている間に、上の子の話や遊びに集中する時間を持つ
  • 気持ちを言葉にして受け止める:「さみしかったね」「ママ(パパ)とくっつきたいんだね」と代弁する。行動そのものは、危険でなければ否定しすぎない
  • 「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」を控える:我慢を求める言葉が続くと、かえって不安が強まることがある
  • できることは「お手伝い」として頼む:役割を任せる場合は、義務にせず、「助かったよ、ありがとう」と伝える
  • 生活のペースは急に変えない:園や習慣などの環境はできるだけ維持し、安心できる土台を保つ

具体的な場面での工夫

授乳やお世話のとき:上の子が寄ってきたら、「終わったらすぐ遊ぼうね」と見通しを伝えたり、絵本を一緒に読みながら授乳するなど、同じ空間で関われる工夫が役立つことがあります。

「赤ちゃんになりたい」と言われたとき:「赤ちゃんは大変だけど、◯◯ちゃんは自分でできることがたくさんあるね」と否定せず、ひとまず「そうなんだね」と受け止めたうえで、少し甘えさせてみるのも一つです。満たされると、自然に落ち着いていくことも多いといわれます。

下の子に手を出してしまうとき:まずは下の子の安全を確保し、叱る前に「やきもちを焼いたんだね」と気持ちを受け止めます。そのうえで「叩くのはだめ。でも、悲しい気持ちは話していいよ」と、行動と気持ちを分けて伝えます。

ありがちな誤解

  • 「甘やかすと、ずっと治らない」→ 十分に受け止められることで安心し、落ち着いていくケースも多いとされています
  • 「厳しく叱れば早く直る」→ 不安が強まり、行動が長引いたり、別の形で表れたりすることがあります
  • 「下の子ばかり優先しているから、親の育て方が悪い」→ 親の責任ではありません。多くのご家庭で起こりうる、成長の過程の一つです

頼れる窓口・つながり方

「いつまで続くの?」「睡眠不足で余裕がない」と感じたら、一人で抱え込まず、身近な窓口を使ってみてください。

  • お住まいの市の子育て支援窓口・保健センター(乳幼児健診や保健師への相談など)
  • 地域子育て支援拠点や児童館など、親子で立ち寄れる場所
  • かかりつけの小児科や、通っている園の先生
  • ファミリー・サポート・センターなど、地域で子育てを助け合う仕組み(実施内容は市ごとに異なるため、各市の公式案内でご確認ください)

夜泣きや退行が長引いて生活に支障が出る、親御さん自身が強い疲れを感じている、といった場合は、早めに専門職へ相談することをおすすめします。

編集部からのメッセージ

赤ちゃん返りは、上の子が「それでも自分は大切にされているか」を確かめている時期ともいえます。完璧に対応できなくても大丈夫です。短い時間でも「あなたのことを見ているよ」と伝わる瞬間が積み重なれば、気持ちは少しずつ落ち着いていきます。保護者の方ご自身の休息も、大切な子育ての一部です。

教育援護会について

本サイト「教育援護会」は、埼玉県富士見市を拠点に教育・子育てのサポートを行うNPO法人です。富士見市から教育相談窓口の委託を受けており、不登校サポート・学び直し・独自奨学金・地域ボランティアを通じて、お子さま・保護者・地域に寄り添う活動を続けています。

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