不登校の子が少し落ち着いてきたら――時短勤務からフルタイムへ戻すタイミング、どう見極める?
子どもが学校に行けなくなったとき、時短勤務や在宅勤務、勤務日数を減らす働き方に切り替えた――という保護者は少なくありません。最初は「今はそれどころじゃない」と迷わず選べた働き方も、数か月、あるいは1年以上が経ち、子どもの様子が少しずつ落ち着いてくると、今度は別の迷いが出てきます。「そろそろフルタイムに戻していいのだろうか」「戻したら、また子どもが不安定になってしまわないか」。職場からもそれとなく聞かれることが増え、答えを出せないまま時間だけが過ぎてしまう、という声もよく聞きます。ここでは、その「戻すタイミング」をどう考えればいいか、一緒に整理してみます。
なぜ「戻す判断」がこんなに難しいのか
時短勤務からフルタイムへの復帰は、単なる勤務時間の変更ではなく、「子どもから離れる時間を増やす」という決断でもあります。子どもの状態は日によって波があり、「昨日は落ち着いていたのに今日はまた不安定」ということも珍しくありません。そのため、どのタイミングでも「本当に今でいいのか」という不安がつきまといます。加えて、家計や職場でのキャリア、収入面の事情も絡み合うため、「子どもの状態」だけでは決めきれないのが実情です。正解が一つに決まる話ではないからこそ、悩んで当然だと捉えていただきたいところです。
判断の前に確認しておきたいポイント
- 子どもの生活リズムが、ここ1〜2か月ある程度一定しているか――日によって大きく崩れる時期は、まだ環境を大きく変えない方が安心なことがあります
- 留守番中の過ごし方について、子ども自身と話ができているか――「一人の時間、平気そう」ではなく、本人の言葉で聞けているかどうかがポイントです
- フリースクールや適応指導教室(教育支援センター)など、日中に通える先があるか――一人で過ごす時間の長さが変わるかどうかで、負担感は大きく変わります
- 緊急時に連絡が取れる体制があるか――学校・担任・祖父母・近隣など、自分以外に頼れる先をあらかじめ整理しておく
- フルタイムに戻すことを、家庭内でどう合意しているか――父母で意見が割れたまま進めると、後から負担が偏りやすくなります
これらはあくまで判断材料であり、「すべて揃わないと戻してはいけない」というものではありません。逆に「全部揃うまで待つ」と決めてしまうと、いつまでも動けなくなることもあります。今の自分たちの状況に照らして、優先順位をつけて考えてみることが大切です。
今日からできる具体的なアクション
- いきなりフルタイムに戻すのではなく、「まず週1日だけ勤務時間を延ばしてみる」など、段階的に試す期間を設けてみる
- 子どもに「そろそろお仕事の時間を少し増やそうと思っているんだけど、どう思う?」と、決定事項としてではなく相談として伝えてみる
- 職場に相談する際は、「いつから完全に戻せます」と断言せず、「様子を見ながら段階的に」という前提で伝えておく
- 戻した直後の1〜2週間は、子どもの体調や表情の変化を意識して記録しておく(メモ程度でよい)
- 担任の先生やスクールカウンセラー、通所先があればその担当者にも、働き方が変わることを事前に共有しておく
やってはいけないこと・よくある誤解
- 「子どもが落ち着いた“証拠”が出るまで待つ」と決めてしまい、明確な基準がないまま判断を先延ばしにし続ける
- 周囲の「そろそろ働いたら」という言葉に押される形で、自分たちの状況を確認せずに決めてしまう
- フルタイムに戻した後に子どもが不安定になったとき、「戻したのが早すぎた」と自分だけを責めてしまう
- 一度決めた働き方を、状況が変わっても見直さないまま固定してしまう(子どもの状態も、仕事の状況も変わっていくものです)
頼れる窓口・選択肢
働き方を戻すかどうかで迷ったときは、一人で抱え込まず、学校のスクールカウンセラーや教育相談窓口に相談してみることも一つの方法です。富士見市をはじめ、ふじみ野市・川越市・志木市・三芳町・新座市など近隣の自治体でも、教育相談の窓口が設けられています。子どもの状態についての客観的な視点をもらえるだけでなく、「今のタイミングで戻すこと」についての率直な意見を聞けることもあります。また、職場に両立支援やフレックス制度がある場合は、人事担当者に一度相談してみるのもよいでしょう。
編集部からのメッセージ
時短勤務からフルタイムへ戻すタイミングに「絶対の正解」はありません。子どもの状態も、家庭の事情も、その時々で変わっていくからこそ、一度決めたら終わりではなく、様子を見ながら都度見直していくくらいの気持ちで十分だと思います。迷ったときは、私たちのようなNPOや教育相談窓口にも、ぜひ気軽に声をかけてみてください。
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